俺の専属マネージャー。２

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「新しい彼氏？」


「あの人。
渋谷さん。
新しい彼氏なんだろ？
プロポーズして断られたら別れるつもりだって言ったら、自分が迎えに行くから、
レストランの場所教えて欲しいって。
ラジオ局で言われたから・・・」


「達也、渋谷さんに会いに行ったの？」


律子さんから聞いてたけど、
半信半疑だったんだ。

渋谷さん、何も言わないし・・・


「たまたま近くを通ったから。
Aがどんな仕事してんのか見に行ったんだ。
楽しそうに働いてたら、
諦めもつくかなって思って。
外で待ってたんだけど・・・
そしたら、渋谷さん本人が出て来て。
Aは俺に気付かないまま、
誰かに呼ばれて行っちゃってさ。
それで・・・
向こうから話しかけられた。
守衛さんが止めてたけど、
友達だって嘘ついてまで、
俺と話したかったみたいだった」


「そうだったんだ・・・」


「少し話しただけで、
本気でAのこと、
好きなんだなって分かって。
だから、踏ん切りついたつもりでいたんだけど。
やっぱ、日本を離れるとなると。
感傷的になっちゃって・・・
ごめん。
忘れてくれていいから」


達也には感謝してもしきれないよ。


お母さんが亡くなって、
辛い時も、

父よりも姉よりも、
そばにいて、私を支えてくれた。


本当のお兄ちゃんみたいな存在だった。


「達也、何時の便？
見送りいってもいいかな・・・」


思わず声になった時、
ドアがノックされた。


「・・・達也、ごめん。
誰か来たみたい」


誰だろ。


横山さんか、映画のスタッフさんか。

ホテルの人かな。


椅子から立ち上がる。


ドアの向こうから聞こえてきたのは・・・



「A、俺や。
誰か来る前にはよ開けてくれ」


渋谷さんのひそめた声で・・・



頭が真っ白になった。


どうして？

なんでここにいるの？


「彼氏？
ごめん、切るな。
時間はまた後から知らせる」



達也の方から静かに電話が切れた。


電話、慌てて置いて、
部屋のドアを開ける。

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