俺にしときぃー！！短編集 (ページ15)

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合鍵ページ15

【合鍵】

今日から数日なるせの家にお邪魔する

ワクワクしながら、いつも移動中に何時に着きそう、今ここだよ、と連絡を取り合っている

やっと長旅も終わりがみえ、あと1時間もすれば到着しそうだったので、『あと1時間くらい！』と連絡を入れると、すぐに

『了解～ちょっと寝とくわ』

と返信が届いた
私も了解と返信をし、寝るとのことなので、そのあとの連絡は控えておいた

今思えば遠慮せず連絡し続ければよかったと後悔をしています･･･

何故かというと･･･

なるせの家到着→ピンポン押す→応答なし→電話する→応答なし･･･

で玄関前で途方に暮れている

きっと寝ているのだろう、と思い、暫く待っているが、なかなか連絡が来ない

待ち続けて20分

外で待つには寒すぎる季節のため、手足の感覚が無くなってきた

どうしよう･･･

時間を潰すにも、この辺にカフェやファミレスと言ったお店は見当たらない
1回駅まで戻ろうか･･･

でもこの荷物を持って寒い中歩くことはもう考えたくなかった

あぁー･･･もう･･･
なんで･･･

ぐるぐると黒い感情が湧いてきて、視界もじんわり滲んできた

こんな時に頼れる知り合いもいないし･･･

･･･知り合い？

あ･･････
いると言えばいるが･･･でもな･･･

繋がることもないだろう、と思いつつ、知っている宛先の通話ボタンを押してみた

〜〜♪

『はい！どーしました〜？』

繋がらないと半ば諦めていたので、聞こえてきた声に驚いて答えられずにいたが、もしもし？という声に我に返った

「あ、あらきさん？」

『は〜い？どうしました？珍しいですね^^
ってか初めてですね^^』

聞こえてきた優しい声色に安堵で胸がいっぱいになった

「･･･っ、あの、･･･」

『ん？？本当にどうしたんですか？何かありました？』

なかなか言葉を発さない私に少し違和感を感じたのか、少し雰囲気がピリッとする

気持ちを落ち着けてゆっくり話し始めた

「すいません･･･今なるせの家にきてるんですけど、連絡取れなくて･･･」

『まーじっすか。どんくらい待ってるんです？』

「1時間くらい･･･」

『え？！めちゃ寒いのに！ちょっと俺行きますよ！！』

「いや、この辺どっかお店あるかご存知かな、と思って･･･」

『いやいやいや、すぐ行くんで！』

ブチッと通話が切れた
あぁ、申し訳ない･･･でも寒さで考えもまとまらなくなっていた私はその場にうずくまって寒さに耐えた