６ ページ6
章大は嬉しそうに、
じいっと目を凝らして見てる。
俺はそんな章大をこっそり見ててんけど・・・
「きみくんも。
ちゃんと、お月様見て！」
ぷうって膨れられて、
俺のほっぺた、手のひらで挟んで、
空に向けられた。
「藍色の夜空と、
琥珀のお月様、
きみくんと一緒に感じたいねん。
奇跡みたいな宝物の時間や」
照れることを臆面もなく言うから、
なぜか、俺のほっぺたが熱なる。
「う、うん。
章大って詩人やな」
「もう、からかわんとってえや」
藍色の絵具、
こぼしたみたいな中に、
降ってきそうな星が、
散りばめられてる。
月の中には、うさぎやなくて、
天使の羽が見えたような・・・？
章大が、俺の肩に、こてんともたれかかってきた。
俺の天使は、ちゃんとここにおるわ。
「月に帰ったら、あかんで。
章大は俺だけの、」
思わずこぼしたひとりごと。
「ん？きみくん、なんて？」
「何も言うてへんよ」
「言うたやんか」
「言うてないって」
「ケチ。教えてくれてもええのに」
拗ねてる章大の顔覗き込んで。
唇をさらう。
「あっ、ちゅうで誤魔化した！」
章大は、ぷうって膨れたけど、
もういっぺん、ほっぺたにキスしてやったら、
すぐに機嫌直して、
「んふふ」
て、可愛い顔して、わろた。
自然と愛おしさが満杯んなって溢れ出して。
ぎゅーっと抱きしめる。
「どこにも行くなや？
ずっと俺んそばにおり？」
耳元に囁いた、その続き。
お前はもう、
・・・俺だけの天使やねんから。
それは、胸ん中でだけ、呟いた。
終わり。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 254人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みき(プロフ) - きみくんと章ちゃんのを読み返させてもらいました！章ちゃん素直で甘えたで可愛すぎます！きみくんも甘々で(*/∀＼*) キュンキュンしっぱなしです！foolさんの作品は何度も何度も読みたくなります〜♪♪また定期的に読み返したいですー！！ (2020年11月29日 22時) (
レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - うつせみの、君と でご返信ありがとうございました！こちらのtornちゃんも読ませて頂いてました♪天邪鬼な亮ちゃんが、亮ちゃんで可愛くて♪foolさんの作品は本当にどれも心情がとっても伝わってきます！ (2020年9月25日 15時) (レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 天の邪鬼亮ちゃん降臨(爆)個人的にはヤスくんと亮ちゃんのお話が大好き(笑)二人とも不器用だからなぁ。。(笑)くっついてくれて良かった(笑) (2020年9月22日 16時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - 天邪鬼な亮ちゃん、可愛かったです(*^^*) ありがとうございました♪ (2020年9月19日 19時) (レス) id: 3389004d8b (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - ついに終わっちゃいましたかー！最終的にはかっこいい大倉くん、ありがとうございます！！終わってしまうのが寂しいです！また別のお話も読ませていただきますね♪ (2020年9月19日 12時) (レス) id: 979f5b0d6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool
| 作成日時：2020年3月23日 22時
