俺だけの天使

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そうそう、３ケ月前に届いてた同窓会の案内状は、

俺の部屋に遊びに来てた神ちゃんが、

「一緒に行こうや」

さっさとまるして、俺の代わりに出してしもてん。








その同窓会当日。

今日はクリスマスイブ。


もう大学も冬休みやし、
二人して、関西に帰って来た。


神ちゃんのコーディネートで、

かしこまり過ぎてないジャケット着て、
会場のホテルに着いたけど。


受付んとこで、早々に、
神ちゃんは友達に囲まれてしもて。

俺は一人、ポツンてなる。


「シゲ！シゲもこっち来いって！」


神ちゃんに呼ばれたけど、
和気藹々としてる輪の中に、
行く勇気、あるはずもない。


壁に張り付いて、
ひたすら食べることに集中しとったら・・・


「なあ、もしかしてさ、
あの重岡？
学年一の秀才やった」


学年でも目立ってた藤井くんが、声かけてきた。

藤井くんは、
外人みたいに整った顔してて、
めっちゃ長身で、
ちょっと悪そうな、
かったるそうな雰囲気も醸し出してて。

ごめんけど、俺は苦手やってん。

苦手いうか、
もはや、世界の違う人過ぎて、怖い、いうか。

在学中からモデルのバイトやってたし、
周りの女子校どころか、
女子大生にまできゃあきゃあ騒がれとった。


「あ、はい。そうです」


「なんで同級生やのに、
敬語で話すねんな」


「いや、その・・・」


「自分、雰囲気、めっちゃ変わったな。
実はめっさ可愛い顔しててんな。
今何してんの？」


「だ、大学の講師です」


准教授にはいつまでたっても、
なんなら永遠になれそうになかってんけど。


最近の俺の変化を見て、

うちの研究室の教授が、
来年の春に、
任期付きやけど、
助教に推薦するって、
言い出してくれてん。


決まったら、一番に神ちゃんに報告したいなって思ってる。


「へえ。凄いねんな！」


「いや、別に凄くはないです。
ただ、しつこく大学に残ってたっていうだけで・・・」


「いや、凄いやろ。
俺なんか大学も途中で辞めてもうたもん。
今はな、モデルも辞めて、
こういう会社経営してるねん」


見せられた名刺には、
フランス語？っぽい会社名と、
CEO藤井流星の文字。

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