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一つ二つ増えていくコンクリートの黒い染み。
涙を雑に拭い、顔を上げるとAは呆気にとられた。
目の前に広がる畑。
足元に伸びる田舎道。
そこは住宅街の面影すらない。
思わず涙もひっこんだ。
慌てて振り向くがそこにあったはずの家はない。
代わりにあるのは小さな施設。
─ウール孤児院
看板に描かれた文字を目で追いAは呆然とした。
『どこ？』
小さな声は闇夜へと吸い込まれる。
頭の中が空っぽになったAだが、そこへ徐々に焦り・不安がなだれ込んだ。さながら洪水のように。
どうしよう、どうしよう。
これじゃ家⋯家に帰れない。
どこ、どこに消えたんだろう。
手先はブルブル震え顔は真っ青に。
嫌いと言われたショックは今、帰る場所がない不安へ完全に置き換えられた。
立ち尽くしても景色は変わらない。
どうしよう、どうしよう。
どこに行けばいいんだろう？
何をすればいいんだろう？
手を握っては離し、結んでは解く。
ひっこんだ涙はじわりじわりとあふれだし、今にもこぼれ落ちそうだった。
「そこにいるのは誰だい」
後ろから聞こえた訝し気な声にAは肩をびくつかせた。
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かりん(プロフ) - めっちゃ面白いです！！更新待ってます！！ (2月27日 15時) (
レス) @page16 id: ec4bd7cdf5 (このIDを非表示/違反報告)
とり - 最高！ (1月7日 16時) (レス) @page16 id: 98e316cbcd (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 最高でした！ 続きが早く読みたいです! (12月31日 9時) (レス) @page15 id: e436e2ae82 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - ふぉわっすきっ！ (12月27日 15時) (レス) @page15 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたつ | 作成日時：2024年12月1日 11時
