【刀剣乱舞】呑気に気ままに【審神者】 (ページ12)

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「人気もの＊信濃」ページ12

演練の後は決まって
近くの広場でゆったり過ごす。

隅にちょっとした屋台もあり、祭りみたいだ！と愛染が気だるそうな明石を無理やり連行して行った。

「行かないの？」

隣に座る主が微笑みながら信濃に問掛ける。

「うん。大将と一緒にいるよ」
そう返すと同時に、膝に置かれた主の手を取った。

優しい手……

顕現した時からずっと思っていることだ。ほかの兄弟や刀剣達もみんな同じ気持ちだろう。

「あ、左文字兄弟だ。よそも仲良いね。………あー駄目だね。やっぱり彼等を見てると団子食べたくなる」

「ええ？そうかな…」

主は昼行灯みたいな人。

たまに突飛な言動や行動をとるため信濃含め刀剣達は気が気でないのだが、だからといって厚顔無恥というわけではない。

「この辺に団子が売ってる屋台あったかなー」なんてしばらく周りをキョロキョロしていると、見知った顔の男と目が合った。

左腕には[政府機関]の腕章が付けられている。

「あ………大将、あの人」

信濃が指をさすと同時に、その男が足早にこちらへ向かってきた。
少し軽快で機嫌が良さそうだ。

あっという間に目の前まで来て「よう、息災か？」と主の背中をバシバシ叩く。

信濃はこの乱暴さがあまり好きではなかった。

前に薬研が、大将は変なのに好かれちまうからなあ、と遠い目をしていた。
この人もきっとその内の一人なのかも。

「ついさっきな、仕事が終わったんだ。噴水前に現れる見たことの無い刀を所持している謎の男のやつ。通報が多かったから政府の方で対処したわけ」

審神者の皆さん、己の刀剣がいたとしても自分の身は自分で守ってくださいねって口酸っぱくして言ってんのに聞きやしない

男はまるで、独り言のようにそう呟いている。

主は律儀に相槌を入れたり、たまに「大変だったね」と気遣う素振りを見せていた。

あーあ、せっかく大将と二人っきりになれたのになあ。