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甘党ですから____Nero ページ13

____



皆んなが寝静まった深夜。ふと、目が覚めた私は無意識に布団から出てキッチンへと足を運んでいた。



「 お腹が空いた… 」



何故か凄くお腹が空いた私は何か食べる物は無いかと物音を立てないようにキッチンを漁っていた。これじゃあ盗み食いをするブラッドリーの事を何も言えない。



ふとテーブルの端の方を見ると丁重にラップが掛かっているパンケーキが視界に写った。ごくり、とついつい唾を飲み込んでしまう。



「 ちょっと、ちょっとだけなら… 」



フォークとナイフを用意して、ラップを破かないようにそっと捲る。パンケーキにナイフを入刀しようとしたその時____



「 何してんだ〜?Aさん? 」



「 っ!? 」



気の所為かいつもより低くなったように感じる重みのある声が私の名前を呼んだ。振り返るとキッチンのドアにもたれかかり腕を組んでこちらを意味ありげに見つめるネロ。



「 ね、ねろ…あの、これはですね… 」



咄嗟に慌てふためいたが、言い訳も何も思いつかない。現行犯だ…



「 御免なさい…お腹が空いてしまって 」



「 はは、一瞬ブラッドかと思ったよ 」



そう言って笑いながらこちらへ向かってくるネロ。あれ、、全然怒ってない…?



「 ん?どうしたんだ…? 」



ぽかんとしてたのか私の顔を覗き込むネロにはっと我に返る。



「 あ、いえ…ブラッドリーがつまみ食いした時みたいに包丁が飛んでくるかと思って 」



「 彼奴は常習犯だからな。あれぐらいやらないとまた繰り返すだろ、それに勝手に俺のキッチン荒らす奴に手加減しねぇよ 」



「 う、勝手に荒らした者です御免なさい… 」



「 ……まあそうだな、あんたはいいさ。パンケーキ食べたいんだろ?ちょっと待ってな 」



ネロは私の肩をとん、と押して椅子に座らせると
棚から瓶を取り出して私の前に置き、向かいの椅子に座った。



「 それは…? 」



「 チョコレートクリームみたいなものかな。この前ファウストにあげる為にチョコレート作った時の余りを溶かして作ったんだ 」



それは先日皆んなで行ったバレンタインに使った時のチョコレートだったらしい。東の国の魔法使い達のチョコレートはとにかくネロがいたので見た目も味も素晴らしかった。



「 これ付けて食べてみるか…?嫌だったらいいんだけど… 」



私はそれを聞いて心の中で飛び跳ねた。
何せ大の甘党なのだから。



「 是非!!付けます!! 」

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rufu(プロフ) - No.3さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!モチベになります、嬉しいです…! (2023年1月29日 0時) (レス) id: e99adfba6e (このIDを非表示/違反報告)
No.3(プロフ) - カインが天才的にイケメンしてる…書き方上手ですね!! (2022年7月7日 7時) (レス) @page26 id: 5d07dd0044 (このIDを非表示/違反報告)
rufu(プロフ) - *ゆきうさぎ*さん» お返事遅れてしまい申し訳御座いません…!ありがとうございます!とても嬉しいです…!更新も出来ればと思っています。ありがとうございます…! (2021年6月14日 22時) (レス) id: ec4581993d (このIDを非表示/違反報告)
*ゆきうさぎ*(プロフ) - すっごく好きです…!!最近まほやくにハマったのですが、まほやくの夢小説ってなかなかなくて…。更新いつまでも待ってます…! (2020年7月14日 14時) (レス) id: f13975ef27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rufu | 作成日時:2020年2月16日 2時

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