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「隆平、左手。」
薬指にゆっくりと指輪がはめられる。
「隆平もして。」
同じように大倉さんの左手に指輪をつける。自然と顔をあげると、二人とも涙目。それがおかしくて、うれしくて、クスクスと笑い合う。
「これ、めっちゃええとこの指輪やん。」
「ふふん！給料３ヶ月分。」
「ええっ！？まじで？」
「うん。二人の一生もんの指輪やしな。気合い入れた。」
「ありがとう。ほんまにうれしい。」
「また惚れた？」
「うん。忠義っていう底なし沼に沈んで、もう浮かんでこられへん。」
「俺もそうやで。ふふ。グランピングは新婚旅行やな！」
楽しそうな大倉さ…いや、忠義。でも、とりあえず今日は帰らないと…
「帰ったらあかん。」
「明日仕事やん。」
「隆平は寂しくないん？しかもプロポーズした日やで？」
「ん〜…じゃあ、明日の準備して、忠義が僕の家に泊まるというのは？」
「はい！行こ！！わーい！」
あんまりはしゃぐから可愛くて抱き寄せてキスをする。
「…そんなんしてええの？」
「ん？あ…」
「も、無理やで。プロポーズに真剣に返事してくれて、指輪つけて涙目になって。そんなん、我慢出来ひんねんから…好き…もうめっちゃ好き…」
「忠義…」
かわいい忠義から色気を漂わせたとてつもなく格好いい忠義になる。催眠術にかかったみたいに忠義に言われるまま。優しくて、激しくて、気持ちがいい。
「隆平…愛してる。」
もう、そんなん言われたらたまらんのやけど。忠義の切羽詰まった表情も体の温もりも全部全部僕のもの。そう思ったら何度も体が震えて止まらんかった。
「こんなになって、ほんまにかわいい。」
優しく落ち着かせるキス。じっと見つめて、そのきれいな瞳に自分をうつす。
「僕だけうつしてて。ずっと僕だけ。」
「あたり前やろ。」
ぎゅっと抱きしめてくれるその力強さに心底安心する。
「ちょっと寝たら行かなあかんな。」
「ん。好きやで。」
「ふふ。かわいい。」
「ちゃんと言うて。」
「好きやで、隆平。二人で幸せになろ？」
「うん。」
そして二人の恐ろしく甘ったるい新婚生活がはじまる。ずっと後ろ向きだった気持ちは、忠義との未来に前向きなものになった。
「あ、思いついた。」
「なに？」
「作品の仕上げ。」
「え。旅行に行く意味…」
「(笑)。ちゃんと別の意味が出来たやん。」
「そっか。」
互いを思う気持ちが日々を輝かせる。
この幸せが長く続くように、二人で精一杯、人生を楽しもう。
fin.
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orange(プロフ) - いつもありがとうございます。この場所があって、たくさん倉丸ちゃんに浸れるので、日々の活力になっています。また見に来てください！ (2023年1月23日 22時) (
レス) id: 12b1e8c154 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - お疲れ様でした。いつも物凄く楽しみにしています、この二人のお話が少ないので強火の倉丸担オタクとしては最高に嬉しいです。次回作も楽しみに待ってます。 (2023年1月23日 8時) (レス) @page32 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2023年1月7日 21時
