検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:40,267 hit

9 ページ9

マルのほんまに思いやりのある言葉。友だちとして、弟としての俺に向けられた優しい言葉たち。友だち…弟…。当たり前やんか。でも…

「マルから離れろってこと?」

「離れるとかじゃないよ。それぞれの道を進んでも友だちには変わりない。」

「マルは俺がいらんの?」

「いらんなんて、そんなわけないやん。大切やからちゃんと自分の人生を考えてほしいねん。」

マル…お願いや。俺をずっと側に置いて…。喉元まで出ているのに。でも…。自分のことでめっちゃ苦しんでいるはずやのに、こんなにも俺のこと考えてくれてるんや。気持ちをぶつけるなんて、俺には…

「わかった。ありがとう、マル。ちゃんと自分の人生を考えてみる。」

「ん。亮ちゃんの将来、めっちゃ楽しみやわ!」

「おう!期待しとけ!」

「うん。有名人になっても、俺のこと忘れんといてや?」

「…忘れるわけないやろ。」

「ふふ。うれしい。あ、遅くなってしまったな。寝よか。」

「そやな。先戻って。俺、水飲んでから行くし。」

マルの背中を見送って、しばらくリビングで動けない。終わったんかな…。この気持ち…もう忘れなあかんのか…

「亮。」

「わっ!親父!?…え、まさか聞いてた?」

「まぁな。」

「…というわけで、俺は親父の仕事を引き継ぐことを考え直します。」

「…伝えなくてええんか?」

「…は?」

「お前の気持ちや。」

「え…はぁ?何を…」

「後悔せーへんのか?…今はSPと違う。お前の父親や。」

「…ふっ。大学生にもなって親父に恋愛相談なんかするかよ。」

「亮…」

「はぁ〜。後悔はするかもな。伝えても伝えんでも、どっちにしてもするんやと思う。それやったらマルが傷つかへん方を選ぶ。」

「隆平様の気持ちが変わることもあるかも…」

「ないな。俺には向かん。俺は友だち。弟。その線を越えたら、もう会うことが出来なくなるくらい拗れるわ。」

「そうか。」

「ん。」

「…抱きしめようか?」

「はぁ!?いらんし!」

「…じゃあ、これ。」

「なに?」

「タオル、いるだろ?」

「…ありがと。」

暗い廊下を暗い気持ちで戻る。明日にはいつも通り、マルの友だちで弟。将来に夢を持った…

「ウッ…マル…」

晴れの日が良く似合う、太陽みたいな笑顔。

「明日、晴れるといいな…」

こんなにも好きやったんや、俺。こんなにも涙って出るんやな。マル…俺…マルの幸せを誰よりも願ってるんやからな…。

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
設定タグ:倉丸 , 丸山隆平 , 関ジャニ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

orange(プロフ) - ありがとうございます!コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:orange | 作成日時:2021年3月21日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。