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「たっちょん、俺、研究員で大学に残ることになった。」
俺たちもそろそろ卒業という頃。マルはまだ大学に残るらしい。
「え、そうなん?なにすんの?」
「んと、カウンセリング。大学でカウンセラーをしながら勉強。」
「お前、カウンセラーの勉強、一瞬でマスターしたもんな。向いてるんや。」
「それはわからんけど、教育関係や企業や、いろんな所で経験させてもらいながら、ここに勤めることになるかな。」
「さすが、求められてますねぇ。」
「ん、それやったらうれしいけど…。たっちょんはもうバリバリ働きだしてるもんなぁ。」
「バリバリではないけど、卒業したらそうなるな。」
「そう…」
ふと寂しそうにうつ向くマル。…かわいい。触れたい。髪が風で揺れて…
「たっちょん?」
「え!あ。あ〜と、最近いい天気が続いてるな。」
「ん?天気?まぁ、そやな。」
「天気がいいと景気も上がるんかな?」
「さあ?どうやろうな。でも、全体的に見通しが明るいよね。たっちょんの所もそうじゃないの?」
「そうやなぁ…確かに天気の良い日が続くと会議や取引や上手くいく感じするわ。」
晴れの日ってマルの笑顔と似てる。あったかくてほっとするマルの笑顔。
「マルがカウンセラーで一人前になったら、俺の会社で雇うわ。」
「え?」
「お前、なんかセンスあると言うか、お前の一言で道がパッと開けるときあるし。」
「え〜そうかなぁ?な、なんか照れるやん!」
「でもあれか。王族を雇うなんて恐ろしいことやんな?」
「そんなことないよ!その時はよろしくお願いします。」
「ええんか?」
「うん!たっちょんと一緒の会社なんて幸せやん。」
ぐっ…。あかん。地雷踏んだ。苦しい。かわいい。抱きしめたい。
「みんなに報告せなあかんな。」
「え?」
「みんなほぼ毎日連絡くれるから。たっちょんもそうやけど、亮ちゃんも信ちゃんもゆうちんも…」
「え、ちょっ…ちょっと待って!」
「ん?」
「村上くんと横山くんも?」
「うん。章ちゃんもくれるときあるよ。章ちゃんなんかさぁ、すごいタイムリーにかけてきてくれてさ。前なんか…」
くそー。みんななんやかんやマルと繋がってんのかぁ。俺が特別ではないんやな…
「あの〜…聞いてた?」
「え?」
「はぁ…もういい。」
「え!なんかやらかした!?」
「ふふっ。なんもないよ。たっちょん、忙しくて考えること多いんやから、ゆっくり休んでや。」
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orange(プロフ) - ありがとうございます!コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:orange | 作成日時:2021年3月21日 20時