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「そのまま歩け。駐車場まで頑張るんやで。あ、大丈夫です。ちょっと乗り物酔いしただけで…」
周りの人が声をかけてくれる。泣くのを必死に堪えてるのか、マルの震えが腕に伝わる。こんなにいっぱいいっぱいになってんのに。あの人は一体何やってんねん！
「着いたで。ほら、後ろ広くなってるからこっちに乗り。」
言われるまま車に乗り込むマル。座った瞬間、苦しそうに泣き出した。その泣き方があまりにも苦しそうで、胸が締め付けられる。背中に手を伸ばしてさすってやると少し苦しそうな声が和らぐ。そのまま引き寄せて、抱きしめてやった。
「たっ…ちょん…」
「ええから。俺の胸、貸しといたるわ。」
「ｳｯ…うわぁ〜！」
胸の服にしがみついて、これまで聞いたことない大声で泣き出すマル。溜め込みすぎや。こんな嗚咽、聞いたことない。
「あれ…雨や？」
あんなに晴れてたのに…。マルの感情は天気に忠実やねんな。早く晴れてやってくれ。
「たっちょん…ごめん…」
どれくらいたったんやろう。背中をトントン叩きながら、降り続く雨を見つめて、腕の中の震えが落ち着くのを待った。
「マル、これで顔拭き。」
「ん…ごめん。服も…」
「あぁ…ええよ。男に胸を貸したんは初めてやなぁ。」
「どうしよ、冷えるよな？」
「大丈夫や。ほら、これ飲み。」
「ありがとう。ごめんな、誘った上にこんなことなって…」
「理由は聞いてもいいわけ？」
「…なんとなく知ってるやろ？」
「まぁ…」
「すばるくんと付き合ってる。いや、付き合ってはない。体の関係だけ。もう何年やろう。4年くらい経つんかな。俺がすがって、わがまま言って付き合ってもらってた。」
「そうなんや…」
「うん。苦しいのに、すばるくんがその瞬間だけでも俺のこと見てくれるのが嬉しくて。俺からの一方通行やってん。でも…時々すばるくんも俺のこと思ってくれてんのかなって…」
「うん…」
「淡い期待をしたり、でもやっぱり好きとは言えなくて、言ってもらえなくて、どうしたらいいかわからんくてやけになって。結構疲れてた。」
「お前、いつも暗い顔しとったもんな。」
「…男やもんな、俺。きしょいよな、そりゃ。世間にも大っぴらに出来ひんもん。そんな運命背負うなんて、そりゃ耐えられへんよ。」
「マル。きしょいとか言うな。そんなんちゃう。お前は純粋に人を愛しただけや。」
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orange(プロフ) - ありがとうございます！コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2021年3月21日 20時
