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「マル、俺、サンターニャ国に行くわ。」
「え!サンターニャって、今急成長の企業が集まってるとこ?何をすんの?」
「とりあえず大学院で経済学を続けるんやけど…」
「うん。」
「あとは…またうまくいきそうやったら連絡するし。」
「えー!教えてよぉ!」
マルに言われてから色々考えてた。そんな俺に、マルの驚くような秘密が親父から告げられる。週末、いつものマルの外泊。今日も…
「雨やな…」
「ここんとこずっと週末はほぼ雨やん。」
俺に話があると言ってマルの警護を他に任せた父さんと俺の部屋で話をする。
「うん…。亮、お前、隆平様に、なぜこんなに警護がつくのか、考えたことあるか?」
「え…ここは首都から結構離れてるし…王族やし…」
「ん…。でも、隆平様は直系じゃないから王位を継がれる可能性は低い。それやのにこの警護。手厚すぎる。」
「え…マル、なんかあんの…?」
父さんがじっと俺を見る。
「私は命を狙われた。」
「え…?」
「犯人はすでに死んでいた。周辺の人物も姿を消している。」
「なんで父さんが?え、マルが狙われてんの?」
「そうや。直接隆平様を狙うことなんて、今の警護からは簡単や。でも、あえて私を狙った。」
「なんで?」
「神の御子を精神的に殺すため。」
「え…かみのみこ?かみって神様?」
「そう。神様の子ども。神の御子。」
「ちょ…意味わからん。」
「紀之様からお前に伝えることは許された。だから話す。」
「え?でも俺、SPには…」
「まぁ聞いてくれ。」
親父は神妙な顔で話し出した。
「隆平様が宿ったとき、奥様はとてつもなく輝いた宝玉が自分の中に入ってくる夢を見られた。隆平様がお生まれになって、今の国王が抱き上げられたとき、赤子は光輝いて国王を包み込んだ。」
「な…」
「隆平という名が国王の頭に強くうかんだらしい。隆平様はな、天を司る御子や。あの人の感情が天変地異に関わる。」
「え?」
「自然だけでなく、経済、外交、すべての明暗に関わってくる。」
「は…?なにそれ?」
「不思議だろ?この国に途絶えることなくあの一族があるのはそのためだ。隆平様のような方は王家の血筋のどこかにふと現れる。でも光と共に闇を恐ろしく吸収するから王にはなれない。昔、玉座に就いた御子がいたらしいが、醜い争いの中で酷く病み、その病みが国に影響した。神の御子をどれだけ穏やかに育てるかが国の一大事なんだ。」
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orange(プロフ) - ありがとうございます!コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:orange | 作成日時:2021年3月21日 20時