俺と恋愛、しようよ。【名前変換ｵﾘｼﾞﾅﾙ】

love-２ ページ3

(どうしようか)


痴漢なんて、もちろん初めて



大声を出そうか？


-嫌だ-


注目されるのは嫌いです。



振り払おうか？


-無理だ-


男の人の力に勝てるわけがない




　詰 ん だ



どうしよう、どうしよう


怖いーっ



頭から血の気が引いて
車内は暖房で暑いのに、指先が冷えていく




太ももを行き来する手に意識が集中する


なんとかしなくては…
と焦るだけで



良い案なんて浮かびやしない




.


.


.


.


ｷｰ と、甲高い音を上げて

駅がきたため、電車が止まった



その拍子で手が退かないかな…



なんてやっぱり甘い期待だったわけでして。



足に固定された手と
背中の真後ろの威圧感は消えない




うー




.



.



.



.



｢痴漢とか…情けないね、おじさん?｣



斜め後ろから声が聞こえて



腕を引かれた



貴｢？、っ？｣



訳も分からないまま、腕を引かれて



半開きだったドアから止まっていた駅のホームに降りる



.



.



.



｢はぁ…｣



状況を把握できなくてオロオロしていると



ズイッと綺麗に整った顔が目の前に。



｢大丈夫？｣



そのときやっと
この好青年が助けてくれたんだと理解できた。




そしてこれが
彼との出会いでした。

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