○ロシナンテさん ページ17
ー17年前ー
『父さま、母さま、どこへいくのですか？』
「……お前は、もういらない子なんだ。これから別の人に育ててもらいなさい」
物心ついたときから、父と母に愛された覚えはなかった。だけどいつもお仕事が忙しいのだろうとずっと我慢……というよりは自分自身を騙して生きてきた。
そんな日々に終わりを告げるかのようにやってきた7歳の誕生日。私は両親にシャボンディ諸島へ連れて行かれた。
たくさんのシャボンに囲まれて着いたのは1番
いよいよ売り飛ばされようというところ、子供ながらにも悟った。私は今から地獄のような日々を生きることになるのだろうと。
そう思うと恐怖で震えが止まらない。
「さ、A。あのお兄さんの元へ行きなさい」
『……や、だ』
「最後まで迷惑をかけるんじゃないよ！！大人しく…！！」
『いやだぁああああああ！！！！！！！』
喉がはち切れそうなほど大きな声で抗った。今までずっと、溜めてきたものが爆発したように。
生きたい。
本能のまま叫んだ声はお天道様まで届いたのだろうか。周りにいた両親、
そこからはあまり覚えていないが震える足を一生懸命に動かしたのは覚えている。
ただひたすらに走って、気がついた頃には日が傾きかけていた。帰る場所も行く宛もなくさまよっていたところ、ある海兵に声をかけられた。
「君、迷子か？」
『…………ちがう。怖くて、逃げてきたの』
「逃げてきた？」
『うん、父さまと母さまにいらない子だって言われて、それで、変なお兄さんに連れてかれそうになって……それで、それでっ』
一生懸命に伝えようとするも恐怖が蘇ってきて上手く話せない。喉から出てこない言葉を必死で絞り出そうとすると、泣き出したのを見て気を遣ってくれたのか、「もう大丈夫だ」と抱きしめてくれた。
初めて人の体温を感じたときだった。
今までずっと抱きしめてもらったことなんてなかったから。とにかく嬉しくて、嬉しくて。
恐怖から泣いていたのにいつのまにか安心感から泣いていた。
こうして海軍本部に連れて行ってくれたのが私の大恩人、ロシナンテさんだ。
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ぴこぴこはんまー - 夜叉さん» いえいえ〜スモやんいいですよね！ (2023年4月19日 22時) (
レス) id: 4dd451f496 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - 私スモやんも好きなのでありがとうございます。ロ (2023年4月7日 23時) (レス) @page22 id: 27acb71b9d (このIDを非表示/違反報告)
ぴこぴこはんまー - 夜叉さん» ありがとうございます😭トラ男さん、割と面倒見良さげなのわかります！引き続き夢主ちゃんを見守っていただけると幸いです。 (2023年4月5日 23時) (レス) id: 4dd451f496 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - この夢主の性格すごく好きです。ローって意外と面倒み？がいいから楽だろうなって想像しやすかったです。 (2023年4月5日 18時) (レス) id: 27acb71b9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴこぴこはんまー | 作成日時：2023年3月30日 19時
