死にたがりの海軍大将 3【ONEPIECE】 (ページ25)

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航海26日目ページ25

『おっと…、しっ…声を出すな』

「むぐっ…」

ぐっと近づいて二人の口元を抑える

『今声を出せば、私もお前らもたまったもんじゃないね』

声を出せば、当然私たちの存在に気付く

海兵と賞金首が一緒にいるところなんか、一発でやられてしまう

静かに様子を見ていると、赤犬は海兵を粛清してしまった

『…自分の正義から逸れた人間は、海兵でも許さない…』

仲間でさえ容赦がない、私には到底理解できない

赤犬がいなくなったところで、私はもう息をしていない海兵の元へ近づいていった

『ごめんね、巻き込んじゃって。家族の元に帰りたかったでしょ？』

左手をもう動かなくなった体へ向ける

力を籠めれば、その体は氷に包まれていった

『うーん…鳥はなんか違うよなぁ…よし！』

どうにか家族に会わせてあげたかった

もう、会うことはできないけれど

『あなたは生き恥なんかじゃない、家族を想って勇気を出したんだよ』

その凍らせた体は無数の氷の蝶になって

空に羽ばたいていった

『どうか、家族の元へ…』

儚く散っていった海兵へ少しだけの餞別

そして少しの謝罪を込めて