69, 素早く ページ29
「…さん……Aさん！」
何度も何度も名前を呼ばれて、ようやく意識が浮上した。
状況がよくわからなくて体を動かそうとして、自分が拘束されていることに気がついた。
腕は手錠と鎖で吊り上げられ、足はドフラミンゴの能力だろう、脹ら脛の辺りを床に固定されている。腰が若干浮いているのが少し辛い。
「……ニンファ…？」
「はい！よかったれす〜！」
薄暗く冷たい部屋の中で、ニンファは私が無事でよかったと泣き出す。
「…ごめんね。"隊長"さんの所へ行く約束だったのに…」
「いいのれす！私以外にも諜報員はいますし、きっと隊長にも情報は行っているはずれす！」
目に涙を浮かべたまま自慢げに話す姿が可愛くて、撫でてあげたいのに、拘束されているせいで動けない。
無理に動かそうにも、金属の擦れる音がするだけでまともに動くことはできなさそうだ。
「ねぇニンファ、ハルはどこにいるの？」
見える範囲を見てみても姿の見えない猫について問いかけると、ニンファは少し表情を暗くする。
「…わからないのれす…私も、ドフラミンゴに見つからないようにするのに必死で……この部屋にAさんと連れて来られた時にはもういなくて…」
「…そう……まあいいわ。ハルも死んではないみたいだし」
私がそう言うと、ニンファは首を傾げながらもコクリと頷いた。
「じゃあ私は、Aさんの手錠の鍵を探してきます！」
元気良くそう言うと、私が止める間も無く部屋の隅の小さな隙間へ体を入れて、部屋を出てあ行ってしまった。
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時々雨(プロフ) - コメント失礼します。とても気になるところで終わっていて……続きは長い間時が経っているので、ないのでしょうか……？とても主人公と話の流れが気に入って是非続きがあれば読みたいです。書いてくださるならゆっくりと待っていたいです。 (2020年5月28日 2時) (
レス) id: c2ca6770a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和泉 | 作成日時：2019年9月23日 17時
