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_貴方side
「んっ…いた、い…。」
腰が痛い。そして動けない。
ちらりと目線を向けるとイゾウさんにガッチリホールドされていた。
好きにさせたのは私だけど、疲れてるし平気だろうと思った私が馬鹿だったと思う。
まさか意識を飛ばすまで抱き潰されるとは誰が想像出来ただろうか。
隣にはすっきりしたような顔でぐっすり眠るイゾウさんがいて。
恨めしく思いつつもやっぱり愛おしくて。
これが惚れた弱みって事なのかな?
でもやっぱり何か仕返ししたくて、目の前にある厚い胸板に唇を這わせ吸い付いた。
更に二つ痕を付け満足して、胸に擦り寄って私ももう一度眠りについた。
目が覚め起きると、イゾウさんと目が合った。
まだ眠そうな目をしてるから、彼も寝起きらしい。
いつもしっかりしてる彼のぼんやりした姿を見れるのは私だけって思うと嬉しいな。
「ふふ、好きよイゾウさん。」
愛おしくておはようでもなく好きと言ってしまったが、この際それは気にしないで欲しい。
「ん。おれは愛してるさ。」
…不意打ちはずるいと思うの。心臓に良くない。
「私も、愛してるわ。」
照れながらも伝えれば、嬉しそうに笑って更に抱き締めている腕を強めた。それはもう苦しいくらいに。
「身体平気か?」
「腰が痛いけど大丈夫。」
「無理させちまったな。悪かった。」
「好きにしてって言ったのは私だもの。謝らないで。…気持ち良かったし、嬉しかったから。」
「ククッ、可愛いなァおれのお嬢は。」
最後の方は小さくボソッと呟いただけなのに、イゾウさんにはばっちり聞こえていたらしい。
顔が熱くなっていくのを実感していると、不意に口付けをされた。
いきなり深く口付けてくるからすぐに息が上がる。
「はぁっ…も、ずるい…。」
「お嬢が可愛いのが悪い。それにこんな可愛く乱れるお嬢を見られるのはおれだけだと思うと…堪らないね。」
「っ!」
妖艶に微笑むイゾウさんに私の頬は最高潮に赤いし、心拍数は急上昇。
無理…。何この色男。もう嫌。嘘、好き。愛してる。
「ああ、おれはそれ以上に愛してる。」
「え?…え?私…」
「全部声に出てたな。おれは嬉しいが。」
「…恥ずかしすぎ。ちょっと海に行ってくるわ。」
「それだけはやめておくれ。溺れたいならおれに溺れていればいいさ。」
「それはもうとっくの昔に溺れてるわよ。」
今度はイゾウさんが照れる番だった。
この顔が見れるなら甘い言葉も悪くないかもしれない。

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ルイ(プロフ) - アイズさん» はじめまして!うわぁ...とても嬉しいお言葉ありがとうございます!!これからも頑張りますね!コメント嬉しいですありがとうございました!! (2020年9月28日 8時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!3歳になったお話もほっこりしながら笑ってしまいました!更新楽しみにしています! (2020年9月28日 3時) (レス) id: aae8577057 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨音 | 作成日時:2020年9月25日 12時