ｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰ (ページ32)

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　川西ちゃんと送ったれよー。と先輩に言われながらタクシーを拾い彼女と2人で乗り込む。

　“川西さん、好きです”

　さっきの言葉が頭の中をぐるぐる回る。

　
　こっちが言いたいねん好きって。ドキッとしてしまったやないか。本心かどうかわからんけど。

　隣に寝ているAの頭が俺の肩に寄りかかる。車の窓からのネオンの光が反射する無防備な寝顔に目が離せなくなった。

　マンションにつき、タクシーを降りる。

　彼女はまだ半分夢の中のようで支えていないとふらっとどこかに行ってしまいそうだ。

　エレベーターの3階のボタンを押す。遅い時間になっても廊下の明かりがついているのに助けられ彼女の部屋の前まで行くことができた。

　ちょっとごめんな。

　バックの中を焦りカードキーを見つける。

　「何してはるんですかあ。」

　若干呂律が回っていない。

　体にもたれかかっていた彼女が目の前に来て腕を掴まれ止められる。手から熱が伝わってくる。

　川西「Aの鍵探してたんやで」

　「部屋に戻りたないです。……1人にせんといてく

ださい」

　上気した頬、潤んだ瞳、困り眉。上目遣いでこちらを見つめるAに色気を感じる。

　あーもう、かわええやられてまう。

　川西「どーしたらこの甘えたさんは元に戻ってくれ

るんかな？」

　「ちゅーしてくれたら元に戻りますよ」

　彼女の表情は真剣で俺が本気にしてしまいそうになる。

　ちゅーはせえへんよ。お前のこと大切にしたいからしっかりしてるときに伝えたいねん。

　力が入っていない手は簡単に解け、無事部屋の中に入った。

　川西「ついたでー……って」

　反応が無いので彼女を見るとまた夢の中に入りかけているようだった。

　仕方が無いので靴を脱がしベットまで運び、風邪をひかないように布団をかけておく。

　なんやねん。自分だけ満足してる顔して……かわええけど。

　ここまで色んな意味で頑張った自分を褒める。

　川西「おやすみ」

　7階の部屋に戻った。

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