ｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰ (ページ30)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:81,202 hit

・ページ30

・

・

・

　エレベーターに乗り、カードキーで開ける。

　男の人を部屋に上げるのは慣れないので緊張する。

　今になってあれ片付けたかな、洗濯物どうしてやったっけ。と考えが巡る。

　川西「ここがAの部屋か～。俺の部屋の間取

りとちょっとちゃうな。」

　そんな不安があったが、綺麗に片付けられていたので過去の自分を褒める。

　「川西さんはテレビでも見てて待っててください」

　川西「え、俺も手伝うよ。何作るん？」

　流石に先輩に手伝わせるわけには行かないので、必死に説得したら

　ええの？じゃあ今日は甘えるわー。と了解してくれた。

　「オムライスつくりますんでゆっくりしててくださ

ーい」

　ちょうどご飯が2人分余っていたので、ケチャップと混ぜて炒める。ピーマンとウインナーを小さく切って、玉ねぎもみじん切りにして追加。

　炒めたご飯をお皿に盛り付けて、買ってきた卵をといてフライパンに広げる。焼き上がったのをご飯の上にのせて完成。

　我ながらうまくいったので満足した。あとは川西さんの口に合うかどうかだ。

　川西「めっちゃいい匂いしてたで」

　「ほんまですか？水田さんには敵いませんがどう

ぞ」

　ひと口食べた。どうかな。

　「ん！おいしい！さすが毎日自炊してるだけあ

るわ」

　よかったあ。褒められて嬉しい。

　緊張が解け肩の力がほぐれた。

　「ありがとうございます。でも川西さんと同じマン

ションやなんて驚きましたよ」

　川西「そうやな。今度からご飯食べたくなったら

Aのとこに遊びに行くわ」

　お酒飲みたくなったら俺のとこおいで。ビールだけはあるから。と笑いながら冗談を言う。

　「じゃあ遊びに行っちゃいますよ～」

　そんな会話をしながら食べ終えたあと、またなー。と川西さんは自分の階に戻って行った。

　さっきまで賑やかだったのが急に静かになり、1人取り残されたような孤独感を感じる。

　食器を洗いながら、楽しかったな。褒められちゃったやん。とにやけながら振り返る。

　もっと一緒に話したかったな。

　この気持ちは何なのか。自分が彼に対して抱く気持ちが憧れでは無いと気がついたのはそう遅くなかった。

・

・

・