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俺のマネちゃん その28 ページ29

息を切らしながらただただ走る。

彼女が手術を始めたのが昨日、今日の夕方まで続くと言われた手術はもう月がのぼっているのだから終わっているだろう。

早く会いたい。

会わなきゃいけない。


『簓』

あの優しい声で俺の名前を呼んでほしい。
あの笑顔を見せて欲しい。

だから、早く、合わせて。


彼女の病室前に着くと、一度深呼吸をする。
別に失敗したなんて思っとらんけど、あまりの可愛さに俺が失神するかもしれん。

「よし、いくで」

病室に一歩踏み出すと


誰かの後ろ姿が見えた。
輝ちゃんの姿やった。

「Aがっ……死ん、だ…」

その肩は震えていた。
必死に息を吸おうとしていた。



その前の彼女の顔には白い布。



嘘や。


簡単な手術やから大丈夫ゆうてたやん。

なんで、なんで、なんで、なんでっ!!


A、なんで寝てん?
はよ起きてや。
俺のプロポーズ受けてくれんやろ?
美味しいものや楽しいこととか全部最後にとっとくんやろ?
プロポーズ嬉しいゆうてたやん。

なんで。


「なあ、A。なんで寝てん?」

輝ちゃんは俺に気づいていなかったようで、声を出した瞬間ビクッと肩を震わせた。
錆びたブリキのように俺の方を見ようとふるが、呼吸ができておらず、きちんと向けてない。


「なあ、A。俺の人生マネージャーしてくれる言ってたやん。寝たままやったらマネージャーできんよ?はよ起きてや」

「白膠木さんっ……すいま、せん。…A、は」
「聞かん、そんなこと、聞きとうない!」

Aは死んでない。
死ぬわけが無いって言ってたやないか。

だけど、目の前には……


「俺は無力や」

目の前が真っ暗になった。

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ドク(プロフ) - 読者さん» 読者さん間違いを教えてくださってありがとうございます!直ぐに直します!そして読んでくださってありがとうございました!! (2022年7月14日 9時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - テルさん» テルさん読んでくれてありがとうございます!笑って泣いてとは本当に嬉しい限りです!頑張ります!ありがとうございます!! (2022年7月14日 9時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
読者 - 夢主ちゃんの苗字『白膠』になってます...『白膠"木"』です (2022年7月11日 17時) (レス) @page36 id: 67e98bc2e9 (このIDを非表示/違反報告)
テル - この作品笑いもあって涙腺弱いだけかもしれませんが泣けました!応援してます!頑張ってください! (2021年3月27日 22時) (レス) id: 99cceeea9b (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - イチゴアメさん» イチゴアメさん呼んでくれてありがとうございます!評価の区切りを変えるのって勇気いりますよね……でも嬉しいです!ありがとうございました!! (2021年2月21日 15時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドク | 作成日時:2019年11月25日 9時

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