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第134話 ページ9

涙が溢れた。守ってやれなかった。気づいてあげられなかった。

  悔しいし、そんな自分に腹が立つ。

 「守るって約束したのに・・・」

  周りでは、皆も泣いている。

あ「ごめんなさい、私がもっと止めていれば・・・」

な「愛奈さんのせいじゃないよ。それで、聖の名字は・・・」

  そういえば、あいつ、言ってなかったっけ?

あ「清瀬です。聖は株式会社清瀬フーズの養子です。」

全「!?」

  清瀬フーズってあの?やばすぎるだろ。

あ「本当の両親は幼いころに亡くなったらしいです。
 
  それで、今の人たちに引き取られたって。」

全「・・・」

  皆黙ってしまった。相手が大手にもなるとさすがに無理がある。

あ「あ、あと昨日新曲を投稿したらしいです。」

  愛奈ちゃんが見せてくれたスマホには「サヨナラ」の文字があった。

 「さよならじゃねぇよ・・・」

  涙が止まらない。さよならじゃない、また会えるんだろ?

あ「皆さん、清瀬フーズの本社に行きますか?」

ジ「本社?本社って大阪じゃ・・・」

あ「いえ、本社はこちらにあるらしいです。」

  もしかしたら、会えるかな?

あ「さとみさん、残念だけど聖に会える可能性は低いです。

  多分、外に出さないと思います。マスコミやメディアとの接触を避ける為、

  もしくは外部に情報を漏らさないように。」

 「・・・」

  やっぱりそうだよな。脅してまでも、聖を帰らせたかったんだから。

こ「さとみ君、行こう。」

 「ころん・・・」

り「分かんないけど・・・」

る「まずは一歩です。」

  俺は年下に慰められてるのか。情けないな。

な「さとみ君、大丈夫。俺らが一緒だから。」

 「・・・ありがとう。よし、行こう。」

あ「分かりました、では一旦家に帰りましょ?

  それで、10時にここに集合で。」

全「了解。」

  皆はぞろぞろ帰って行った。

  俺は作業部屋に入り、新曲を聴いた。

  それは、1通の手紙みたいな歌詞だった。

 「絶対、助けてやるから。」

  俺は、自分の頬を叩き、気合を入れた。

第135話→←第133話〜さとみ君Said〜



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設定タグ:歌い手 , すとぷり , さとみ   
作品ジャンル:恋愛
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瑞樹チロル(プロフ) - 莉咲さん» ありがとうございます! (2019年8月19日 18時) (レス) id: 0e9f5e74c5 (このIDを非表示/違反報告)
莉咲 - 最期すっっごく泣きました!ありがとうございました。 (2019年8月19日 17時) (レス) id: 9a4197b886 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹チロル(プロフ) - ぷりんちゃんさん» いえいえ、こちらこそ読んでいただきありがとうございます。 (2019年8月10日 20時) (レス) id: 0e9f5e74c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんちゃん - 泣いたw←すごい楽しかったです!ありがとですw (2019年8月10日 14時) (レス) id: 51981cd5ed (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹チロル(プロフ) - はるかさん» 新作のお気に入り登録ありがとうございます!頑張ります! (2019年7月27日 21時) (レス) id: 0e9f5e74c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑞樹チロル | 作成日時:2019年7月22日 15時

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