■こいばな ページ9
そわそわする気持ちを押さえ、
アイスミルクティーを喉へ流し込む。
手持ち無沙汰で意味もなく
グラスの中にストローを泳がせ、
もう何回目か分からないスマホの時計を見つめた。
普段ライブでもあまり緊張しないのに、
こればかりは何度経験しても慣れない。
だって、今日は…
「A〜ごめん！待たせちゃったね！」
「葵ちゃん♡
全然待ってないです！今来ました！」
今日は大好きな葵ちゃんと
ふたりきりの女子会だからね！
「来る途中にジャニーさんと会ってさ、
”これからAとごはん行く”って言ったら
”チェリーの２人仲いいね！”って相変わらずだった 笑
Aは最近はどうなの？
ま、こーちくんから報告は受けてるんだけどね」
「えぇ！？」
いきなりメンバーがスパイという
衝撃的事実を葵ちゃんからぶっこまれ、
分かりやすく挙動不審になる私。
そんな私を見ながら楽しそうに笑う葵ちゃん…
「天邪鬼なネガティブガールが
後輩なんで、情報得ておかないと」
「う…最近はましになりましたよぉ…」
「Aは頼るのが下手くそだからな。
Aの大丈夫ほど信じられない言葉は
ないと思ってるから！」
「つらっ…！」
過去の事があるから、反論したくてもできない。
でも、最近は葵ちゃん始め樹や北斗、
メンバーには弱い部分も見せられるように
なってきていると思ってるんだけど…
そんなことを考えつつ、
葵ちゃんを見つめていたらふと違和感を感じた。
え、
あれ？
いや、まさか。
私、その指輪と同じのつい最近みました。
…お兄ちゃんの指にはまっているのを！
どういう事ですか！？中丸くん！！
・→←○コメント at すとちゅーぶ-単独公演 in 横アリ-
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作者名：ももじゅり | 作成日時：2020年9月30日 23時
