× 7 ページ7
旧校舎の北側、美術室の裏側の空間で、私はよく授業をサボる。
何も考えたくない時、逆に物思いにふけりたい時、
いつも自然とここに足が向いている気がする。
静穏で、人目に触れなくて、日陰で少し暗いから。
それだけ。
窓の外、校舎に寄りかかるようにして、
コンクリートで整備された張り出しの床に座って、目を瞑った。
うとうとと眠りに入りかけていた時、
美術室の方から声が聞こえて現実に引き戻された。
「廉っ、ごめんって…！違うの、！」
『ほんまお前だるい。どいて』
「…れん、待ってって、！」
『どけって』
完全なる修羅場。最悪だ。
完全に相手はあの永瀬だし。
女の子、泣いてるし。
状況がわからないだけに勝手なこと言うのは忍びないけど、流石にもう少し言い方なんとかならないのか、と同情してしまう。
この子は、永瀬の何番目なんだろう。
付き合ってすら、いないのかもしれない。
すぐに抜け出してこの場を回避したいけれど、下手に動いたらバレてしまいそうで、体を竦めてじっとしていた。
はずなのに。
美術室の窓が突然ガラッと開いて、
振り返ると永瀬と目が合ってしまった。
『なに、覗き？』
「いや……どっちかっていうと被害者？」
『あーーそれはすまん』
あっ、そこは謝るんだ。
意外と素直な人なのか？
本当に生態が、よくわからない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2258人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Fujisaku888(プロフ) - やっば！やばやばです！もう最高でした！続き、楽しみに待ってます！！！！！ (2019年8月12日 21時) (
レス) id: d78f9adad7 (このIDを非表示/違反報告)
reeein(プロフ) - もう、天才だと思います。テスト期間の唯一の癒しです、続き待ってます！！ (2019年7月23日 1時) (レス) id: d8f0974525 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - やっぱり、いいですねえ〜( ´ ▽ ` ) (2019年7月21日 16時) (レス) id: 383a94bb9b (このIDを非表示/違反報告)
禊(プロフ) - みさとさん» 嬉しい〜〜です〜〜！！！まだしばらく続く予定ですので引き続きお願いしますね〜〜！o(^-^)o (2019年7月21日 9時) (レス) id: 877a6ff071 (このIDを非表示/違反報告)
禊(プロフ) - reeeinさん» ワ〜〜！コメントありがとうございます（ ; _ ; ）なんとかかっこいいキャラのまま走れるよう頑張ります〜〜！(？) (2019年7月21日 9時) (レス) id: 877a6ff071 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：禊 | 作成日時：2019年6月17日 23時
