12年ぶりに再会したら、元カレが女の子になっていた件について (ページ17)

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15話ページ17

「！…おっと」

マイキーに抱きつかれて、少しバランスを崩しそうになったが、しっかりと足で踏ん張る。

「A…A…」

緊張の糸が切れたのか、俺の胸の中で泣きじゃくるマイキー。思えば、彼奴は人前で涙を流すことなんて、ほとんどなかった。

12年もの間、マイキーはずっと「涙」を誰にも見せず、溜めこんでいたのだろう。

そのことを思うと、自然と俺の目頭も熱くなっていた。

「…マイキー、これからはたくさん泣いていい。苦しかったり悲しかったりしたら、泣いていいんだ。それは決して悪いことじゃない」

そう言うと、そっとマイキーの頭を撫でた。

「大分落ち着いたか、マイキー？」

久しぶりに沢山泣いた後だからか、マイキーはうとうとしていた。

「…うん、大丈夫」

眠たそうな声で返事をする。…なんでこんなに可愛いんだ？

「ふふ…今のマイキーも昔のマイキーも、可愛いなぁ」

………しまった。完全に心の声が漏れた。

「…ふーん、俺が可愛いの？」

妙にニヤニヤした顔つきで、こちらに身体を寄せてきた。…ついでに、胸が当たる感触もしっかりと伝わった。

「あー…うん…」

「あはは、A動揺してるでしょ」

そう言って、俺の頬をつつきまわすマイキー。その顔は悪戯っ子そのままだ。

「っ～！からかうな、マイキー！…てか、お前もうお眠じゃねーの？寝る支度するか？」

「うん、そうする」