７ ページ8
あくまで私たちだけにしか聞こえないような声で喋っていたその時、突然鳴り響いた機械音と共に小五郎おじさんが吹っ飛んで行く。何事かと思い見れば宝石が飾られているケースのすぐそばから赤いパンチンググローブが飛び出していた。おじさんの飛んだ距離から察するに威力は相当なものだろう。これをキッドが食らったら最高傑作間違いなしだ。
結局その後もおじさんと警部がキッド対策にコテンパンにされることになり、その光景を私は静かに見守っていた。
再び自由時間になった私は、一人でスカイデッキへと昇るエレベーターに乗り込んでいた。
園子と蘭はお手洗いに行くと言って別行動中だ。
人っ子一人いないスカイデッキ内を悠々と歩き、展示ケースまで向かう。
宝石の目の前まで来た私は、サコッシュに入れていた超小型かつハイスペック盗聴器を取り出した。
何故私がこんなものを持っているのか。
理由は簡単、怪盗キッドの盗みを阻むためだ。
今回私はキッドには協力しない・一般人として搭乗するという二つの目標を掲げていたはずだった。ところがどっこい、次郎吉さんに頼まれてしまったのだ。
彼の魂胆としては、キッドキラーである江戸川コナンとちょっとした事情で色んな仕事をしている
正直なところを言えば非常にめんどくさいに決まっているのだが頼まれてしまったものは仕方がない。人の頼みは(基本的に)断らない我が家のスタンスに則り、今回の私は次郎吉サイドの手駒として暗躍することに決めたのだ。
装置用タッチパネルの裏に用意していた機械を貼り付け電源を入れる。準備はこれで完了だ。
電源を入れた今この瞬間から音声収集を開始し、その内容は私のスマホに入れてある専用アプリにリアルタイムで流れてくる。
といってもこの機械やそのアプリを作った本人ではないため詳しいことはよく分かっていないのが現状。ぶっちゃけ使えれば何でもいいみたいな感じ。まあ問題がないか逐一確認しなきゃいけないってのが難点ではある。
用も済んだことだしさっさと下に戻ろうとした時、再びエレベーターが軽快な音を立てたのが聞こえる。一体誰が来たのかとそちらを凝視すると出てきたのはウェイターだった。
「…ども」
「どうも。」
謎の笑みを浮かべたまま歩みを止めることなくこちらへと向かってくるウェイター。そんな彼を不審に思いつつも私はぺこりと挨拶をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柯(プロフ) - 青さん» アンハッピーセット、笑 突然の告白ありがとうございます！！ (2021年7月30日 13時) (
レス) id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
青 - アンハッピーセット一つください！お兄ちゃんに投げつける！！（ヤメロ）好きです（告白）最高かよ。 (2021年7月30日 12時) (レス) id: 157c6e138f (このIDを非表示/違反報告)
柯(プロフ) - 凛堂さん» あばばばありがとうございます！！！そう言ってもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです！！ (2021年7月26日 16時) (レス) id: d03fcb85aa (このIDを非表示/違反報告)
凛堂 - めっちゃ面白いですね！！ (2021年7月26日 14時) (レス) id: 1c8e857f37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柯 | 作成日時：2021年7月8日 15時
