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「だってね、君とっても甘い香りがするんだもん！」
「甘い香り？」
する？
クンクンと自分で嗅いでみても甘い香りなんてしないけど。
チラッと佐久間様を見ると、白い手を袖から出して「おいでおいで」と手招かれる。
なに？と、警戒心もなく四つん這いになって畳の上から縁側へ移動すると、佐久間様は私の右腕を掴みグンと上に持ち上げた。
勢いよく立たされた体、左半身は宙ぶらりん。
何故なら佐久間様が立ち上がって、軽々と片手で私を持ち上げているからだ。
なんて力なの。
「駄目でやんすよ。そんなに簡単に男の誘いに乗っちゃ、」
「あっ、！？」
ニヤリと口角をあげると、佐久間様はそのまま私の首筋に吸い付かれ。
急な出来事に思考がついていけずに、バタバタと暴れるしかできない。
カプカプと甘噛みされている感覚に、ビクッと体が揺れる。
「ふふふ、ほらさらにしてきた甘い香りが。でもまだ食べ頃ではないかなー？」
ストンと床に下ろされて、へなへなと崩れ落ちる私。
甘噛みされた首が熱を持ったように熱くて触れてみる。
「……にひっ、なにか期待した？」
「……しません！」
にひひ、と独特な笑いが響く。
いったいこの人何者なのかしら。
「ほらほらー、せっかく可愛い顔なんだから怖い顔しないのー」
怪しむ私に人の良さそうな笑みを向ける佐久間様は、ぽんぽんと私の頭を軽く叩く。
そしてその手を袖にしまい、また暮れゆく夕陽に目をやった。
「桃姫ちゃんは、なにかお悩み中だねー？」
流し目でこちらを振り返り、すんなりと懐へ入ってこられる。
不思議な人で、この人には何故か警戒心が保てない。
「当ててあげよっか？ ここの殿様に求婚された、とか？」
「………」
「当たりだぁ！ 嫁になりたくないの？ 浮かない顔してる」
「だって、私は翔太様のこと何一つ知らないのに」
いつかはするのかもしれないけど、どうせするならちゃんと恋をしてから結ばれたい。
「だったら辞めちゃえばいいじゃん」
できるならそうしたい。
「駄目なの？ 自分のことなのに、決められないの？」
「……私があの人のモノになれば、お父さん達が幸せになれるから」
「どうしてそう思うの？」
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (
レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜！！続きも楽しみです！ (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます！！お話書かれてるんですね！？よし見に行かねば！！ いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです！一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください（笑）食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ？（笑）まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです！ありがとうございました！ (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月24日 1時
