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"佐久間、起きなさい"
"こんなところで寝てる場合じゃないでしょう"
「……ん、」
懐かしい声がして、目を開けたら砂浜に寝転がっていた俺。
ゆっくりと体を起こすと、頬が海水とはまた違う水分で濡れてる事に気が付いた。
……いつぶりかなぁ、この声を聞いたのは。
「母ちゃん……」
.
佐久間が打ち上げられたのは島の裏側。
結構流されたらしいし、どれくらい気を失っていたのかさえ分からない。
「Aは無事かな？」
濡れた着物を脱いで絞ってからバサッとした。
んー、冷たいけどこれしかないから着よ。
「すんっ！？」
着物を着直したら僅かに鼻が利いて、この嗅ぎ覚えのある匂いはと走り出す。
見えて来たのは洞窟で、
「ここって昔遊んだ事があるなぁ」
懐かしく思いながら暗く湿気た洞窟の中へ入って行く。
ヒタヒタと裸足で歩く音に「誰だ！」と叫ばれて「大丈夫、佐久間だよ」って。
「…大丈夫て、それ本気で言ってんの？」
焚き火をし濡れた服を乾かしていたのは、Aを除いた三人だけ。
あべちゃんがすげぇ形相で睨んでくる。
「Aは？」
おー寒い寒い。
焚き火に両手を翳してたら「連れて行かれたよ」と、らうる。
「これも作戦なのか？ いったい何してた？」
「まあまあ、あべちゃんもそんな怒らんと」
「……こーじ、いいよ。ちょっと予定狂っちゃったのは確かだからねぇ」
あーあ、桃姫ちゃん連れて行かれちゃったかぁ。
……食べられなきゃいいけど。
あの時、海に飛び込んで風を操って波を高くさせた。
その時に出来た渦に自分自身も巻き込まれて気を失っちゃってる間にこいつらが鬼に遭遇してしまったのは計算外。
「Aさまがね、逃がしてくれたんだよ」
いい意味で場の空気を乱したらうるの言葉に、俺は顔を上げた。
「鬼さんを捜してって。俺にとっては鬼さんが敵とか味方とかどうでもいいんだ。俺に逃げる道を照らしてくれたAさまさえ無事ならそれでいい」
「らうる…」
「だからさ、こんなとこでボケってしてる暇なくない？ 早く助けに行こうよ」
らうるの言う通りでやんすね。
桃姫ちゃんをここまで連れてきたのは佐久間だから、それにアイツら生かしておくのも嫌だから。
「助けに行くかー！！」
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (
レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜！！続きも楽しみです！ (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます！！お話書かれてるんですね！？よし見に行かねば！！ いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです！一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください（笑）食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ？（笑）まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです！ありがとうございました！ (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月24日 1時
