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男が怯えるのも仕方ないと思う。
男を鋭い視線で睨む佐久間さまのその瞳は緋色に妖しく光、顔に飛び散った血と相俟って何とも言い難い雰囲気をだしていた。
「佐久間、さま？」
「うーん、汚い汚い。桃姫ちゃんに汚い人間の血がついちゃったねえ」
言われて気が付く、私にもさっきの男の血がついてることに。
こんなの拭けばいいじゃん。と、袖で拭き取ろうとしたら、その腕を止められて「だぁめ！」と、佐久間さまの顔が近付いてくる。
ぺろ。
「なっ！？」
「ぺっ！ この着物も佐久間さんとお揃いだかんね。だから他の野郎の血なんて付けちゃ駄目でやんすよ」
頬に付いた血を舐めとって、唾と共に吐き出した。
グイッと抱き寄せられて、タンっと軽く地を蹴った佐久間さまはスタッと親柱に着地すると、康二さん達に野次を飛ばし始めた。
「おーい、ぼさっとしてねえで、さっさとやっちゃいなよ〜！」
「っ、ええ？ あれなに？ え？」
「話はあと！ 康二は目の前の大男を倒して！ らうるはこっちおいで！」
さっきまでまるで時が止まっていたかのようだったけど、佐久間さまの声によってまた時は動き出す。
それに気分を良くしたのか、頭上ではルンルンと鼻歌を奏でていて、とても上機嫌だ。
「佐久間さま？」
「んふ、なあに？」
「助けに来てくれたんですか？」
そう聞くと腰に回っていた腕の力が強くなって、ちょっぴり息苦しい。
「言ったっしょ？ Aが危ない時は佐久間が助けてあげるって」
覚えててくれたんだ。
あれはただの社交辞令のようなものかと思ってた。
だってあれから困った事が起きても、佐久間さまは全く姿を見せてくれなかったから。
「にひひ、寂しかったの？」
「……」
どうしてだろう。
この方といると、私はすっかり借りてきた猫のように大人しくなってしまう。
血を浴びて汚れた着物なんて、他の男の物なら触りたくもないのに佐久間さまだったら平気で、その服を掴んで自ら引っ張って身を寄せた自分に驚きだ。
「うふふ、なあに？ その物欲しそうな顔は」
「佐久間、さま、」
ゆっくりと近づいていく二人の距離。
グッと腰を持ち上げられて、あと少し、あと少しで唇が触れそうな距離。
「ちょっと待った！！ A、そいつは鬼だ！今すぐ離れて！！」
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ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (
レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 佐久間推しさん» コメントありがとうございます！一気に読んでもらえて光栄です。続きもそろそろ終盤ですのでどうぞ楽しんでください(^^) (2020年11月22日 23時) (レス) id: 0a7632b1c0 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間推し - お話が面白くて一気に読み進めてしまいました〜！！続きも楽しみです！ (2020年11月21日 8時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» ありがとうございます！！お話書かれてるんですね！？よし見に行かねば！！ いえいえ彼への愛があれば素晴らしい作品のはずです！一緒に楽しんで書きましょうね(^^) (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - しーさん» 鬼佐久間さんに是非惚れてください（笑）食べられて良いなんて言っちゃったら、今夜辺りに来ますよ？（笑）まだドキドキシーンがあると思いますが楽しんでほしいです！ありがとうございました！ (2020年11月4日 9時) (レス) id: d7a99168d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月24日 1時
