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story.9 ページ12

Aside




A「エンマ君には悪いけど…。」




私はあの後、彼の目を盗んで人間界に来た




元々人間界にいたんだもの、きっとここで記憶を失ったに違いない





だけど、行く宛もないのは当然だが、手がかりもない





かといって会ったばかりのエンマ君に頼るわけには……






とりあえず記憶探しがてら、散歩しようかな






と振り向くと



_______________ドンッ



A「ッ……!」



?「キャッ……!」



_______________ドサッ




体に何かが当たり、私は床に倒れ込む





?「ごめんなさい!大丈夫ですか?」



その声に私は顔を上げると、



可愛らしい少女が私に心配顔で手を差しのべるのが目に入った




人間……?



今は妖怪の姿のはずなのに私が見えるの?





まあいいか





A「大丈夫。一人で立てるわ。」




私は素っ気なくそう言って、自分で起き上がる


どうも初対面の人には緊張してしまって、こんなふうに感じ悪くなってしまう



人見知りってやつね





?「大変!せっかくの綺麗な着物が汚れてる!

お時間大丈夫でしたら、家へ一緒に来てもらえませんか?

洗いますから!」






A「別に大丈夫よ。

こんなのすぐにエ……が綺麗にしてくれる。

……ッ?」


私はすぐにハッとして口元を抑える



何?今の……私、今誰の名前を言おうとしたの?



無意識に誰かを呼ぼうとした?



分からない……やっぱり思い出せない



ああ、またさっきの頭痛だ





一体誰か、何か大切な……ものを……忘れている







?「あの〜、大丈夫ですか?」




私は目の前の少女の声で我にかえる




A「気にしないで。じゃあね。」




?「ダメです!膝も擦りむいてますし!

手当させてください!ほら、行きますよ!」



と、私は手を引かれ、彼女に思うがままにどこかへ連れてかれる



人間なのに結構強引ね









ナツメ「私はナツメです!あなたは?」


A「………A。好きなように呼ぶといいわ。」




ナツメ「いい名前ですね!じゃあ、Aさんですね。あ、もう着きますからね。」



A「敬語じゃなくていい。タメでいいわ。

……ナツメ。」




私が感じ悪そうにそう言うとナツメは太陽のような眩しい笑顔で私の名を呼ぶ



ナツメ「分かったわ、A!」




体の中が温かくなった気がした



ああ、名前っていいな……



私は改めてそんなふうにしみじみと思った

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桜柚季(プロフ) - killerハリケーンさん» 全然そんなことないですよ!そうだったんですね。 (2019年7月31日 14時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
killerハリケーン(プロフ) - 桜柚季さん» 返事が遅くなりました。シャドウサイドのDVD欲しくて探しているんだけど、全然見つからなくて(--;) (2019年7月28日 18時) (レス) id: 07ace89041 (このIDを非表示/違反報告)
桜柚季 - killerハリケーンさん» 賛成です!そうしましょう! (2019年7月28日 12時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
killerハリケーン(プロフ) - あ!ここではなくボードに書きませんか?私のプロフのところに押してもらって、ボードって書いてあるのでそこで話し合いませんか? (2019年7月28日 10時) (レス) id: 07ace89041 (このIDを非表示/違反報告)
killerハリケーン(プロフ) - 桜柚季さん» ですよね。 (2019年7月28日 10時) (レス) id: 07ace89041 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜柚季 | 作成日時:2019年4月9日 22時

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