私はキノコ以下ですか？！【ジェイド】

先輩はすごい ページ7

Aside


ヴィル先輩と買い物に連れて行ってもらった次の日は普通に学校で



『メイクとかこんな感じよね？』



一から十まで教えてもらった技を駆使するけれど、



『やっぱ、練習が必要か………』



ヴィル先輩も慣れるまでは頑張りなさい、なんて言われる。



流石にここまでされたら私もしっかりしないといけないわけで、学校に向かった今日＿＿＿




『いやいやいや、待て待て待て！！』



現在進行形で男子生徒に追われている。




ヴィル先輩のマジカメが反響を呼んだのか、私の女子力が上がってきたのか、




『私、マジカメしてないからわかんないしっ！』



顔見知りの人からはコメントすごかったな、なんて言われるけど見てませんから！



でも別にいいし！どうせアンチばっかなんでしょ？！知ってるから！！



私が可愛いのは誰よりも知ってるから！！



っていうか、今まで逆にそんな魅力なかったのかって軽く落ち込むよね。




『てか、走ったら汗でメイクが落ちるんだけど………』




と呟きながらも走り続ける。本気で走ってる顔の私は多分やばい。



休み時間にジェイド先輩の元に毎日行く日課が崩れるじゃん、なんて悪態をつく。




『あぁ、でもジェイド先輩もこんな感じだったのかな。』




好きでもない女に追われて、むしろ逃げないでいてくれたのが奇跡なのか。


私の言うことを軽く返して、最後にはいつも、



やっぱキノコが一番です。なんて、むかつくけれど、




『お人好しなんですよ。先輩のバカ。』




私なんかこの人たちに逃げてる時点で先輩より卑怯だ。



ジェイド先輩はいつも私を嫌な顔してでも待っててくれたのに。



そう考えるとなんかモヤモヤしてきて、




『あ〜もうっ！わかったよ！要件あるならさっさと言えや！！ゴルァ！！』




「好きです！付き合ってください！」



「握手して！！」



「写真撮ろうよ！」





『あ、やっぱ無理だわ。』



ヴィル先輩っていつもこんな感じなのかななんて






『先輩達ってすごいなぁ………』




未だ彼らの足元にも届かない自分が悔しく思えた。

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