勘違いもほどほどに-弐-【鬼滅の刃】

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最後に、私に残っていたのは全身訓練の鬼ごっこだった。竈門さんや嘴平さんは、カナヲちゃんが相手に変わってから反射訓練が後だったのだが、私は何故か全身が後。

理由はあまり分からないけれど、私の予想で言わさせてもらうと、今私が濡れてないことが全てだと思われる。




「では、いきますよ！……よーい、どんっ」




アオイちゃんの元気の良い声と同時に床を蹴ってかけ出せば、当たり前のごとく彼女は逃げた。


最終選別を抜けただけたって、彼女の俊敏さはそこら辺の隊員とほぼ変わらない。

怖くて逃げたと言っていたけれど、本当に逃げた人は此処には居ない。彼女も彼女なりに強くなろうとして、訓練、してたんだろう。



一段と強く床を蹴ってアオイちゃんの背中を軽く叩けば、彼女は足を止めて此方を振り向くと「流石ですね」と汗を拭いながら褒めてくれた。


ああ笑顔が良い。
控えめだけど、とても良い。

大人びているアオイちゃんの笑顔は意外性があってとても好きだ。可愛い。って事を過去に本人に伝えたら、赤面されて逃げられました。



アオイちゃんは少しだけ端に寄ると、カナヲちゃんの方を指す。




「では次はカナヲとになります。……カナヲ、準備は整ってる？」


「……」


「大丈夫そうですね」




えっ、本当に？何も喋ってないし微塵も動いてないけど大丈夫なの？アオイさん？？

とか思うことは色々ありつつ、私の前に立ったカナヲちゃんと目を合わせる。また外野から、A頑張れ！と応援が聞こえた。

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