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「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛……!!」
毒をモロに食らった左目を押さえながら鬼は後ろによろめき、残った右目で私を鋭く睨みつけた。
どろどろと溶けていく鬼の顔の左半分。
ざまぁみろ、と私は態とらしく舌をべっとさせてから、出せる力の全てでその場に立ち上がり、柄に手をかける。カタカタ、と、握ってる手が震えるが、そんなの知らない。
『どう、っですか……?鬼殺隊が作った、毒、は…効くでしょう?』
「ふざけるな巫山戯るな!!人間、風情がァ!!」
鬼は両手の指の先から糸を出し、真っ直ぐ私に向かわせてくるが、最低限動きを抑えて上手く避けた。
ぶちっ、とどこかの筋繊維が切れる音が微かに届いたが今はどうでもいい。この体のどこが壊れようが、私は今やるしかない。
大技を出してもどうせ避けられる。
今持っている伍ノ型まででは、駄目だ。
なら、なら。
『“彩の呼吸
今までのどの型よりも速く鬼の頸を狩れるもの、作るしかない。
『“__
刀を一瞬で抜いて、
一瞬で頸を斬って、
一瞬で刀を仕舞う。
速い技と言って咄嗟に思いついた我妻さんの壱ノ型を真似して、たった今作った新しい技を受けた鬼の頸は、呻き声ひとつあげることなく地面に落ちた。
「な、な、なんで……僕が、地面に……!?まさか頸を、斬られたの?」
『……わたしが、斬りました』
振り向きながらそう言うと鬼はこちらを見た。
白髪だった髪が黒髪に戻り、顔にあった朱色の模様は綺麗に消える。やっぱりそれらは飾りだったのか、と思っていると、体に限界が来て、その場に膝を着いてしまった。
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そあ Free sky - 私は現実で愛されていないからですかね?愛されている夢主を見て泣いてしまいました。頑張ってください! (2019年10月6日 21時) (レス) id: 4b25111a5e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの刃 - 富岡…?恐らく冨岡では…?偉そうにすみません… (2019年10月3日 23時) (レス) id: 7c2b7aa7df (このIDを非表示/違反報告)
まっち - 続編おめでとうございます!本当に面白いと思いました。これからも頑張ってください!応援してます。 (2019年9月22日 22時) (レス) id: d74e1015ce (このIDを非表示/違反報告)
銀炉(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございます!7話がなくて話が抜けてますよ!更新楽しみに待ってます! (2019年9月22日 13時) (レス) id: c268784eb7 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張ってください! (2019年9月21日 23時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2019年9月21日 23時