15 ページ15
意地でも箱を手放そうとしない我妻さんと、ちょいちょい邪魔をする私に痺れを切らしたのか「刀を抜いて戦え、この弱味噌が!!」と猪さんは叫ぶ。
私は先程まで叩かれて切れた口端を乱雑に拭い、げほっ、と咳をした。
そして、箱の持ち主がやってくる。
「炭治郎……俺、守ったよ……」
『……ごほっ』
「お前が……これ、命より大切なものだって…言ってたから……」
私は上半身だけ起き上がらせ、竈門くんと目を合わせる。竈門くんは静かな怒りを秘めながら、未だに我妻くんを蹴る猪さんに向かった。
「やめろ!!お前は鬼殺隊員じゃないのか!!」
猪くんが私にしていたよりも重い拳を腹部に沈めた竈門くんに、ぎょっとする我妻さん。
……あれ多分、骨、逝ったな。
「なぜ善逸とAが刀を抜かないかわからないか?隊員同士での徒に刀を抜くのは御法度だからだ!!」
それに、と付け加える竈門さん。
「女の子であるAの顔に傷まで作って、痕が残ったらどうするつもりだ!?」
『……竈門さん、わたしのことはいいです』
「いや駄目だ!!」
いやいやいや本当にいいんだよお兄さん。
鬼殺隊に入った以上、大なり小なり怪我はつきものだし。
確かに今回の怪我は予想外だったけど、鬼を庇ったのは私達だから文句は言えない。でも明らかに殴りすぎだよね猪さん。
「二人を一方的に痛めつけていて楽しいのか?卑劣、極まりない!!」
2528人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そあ Free sky - 私は現実で愛されていないからですかね?愛されている夢主を見て泣いてしまいました。頑張ってください! (2019年10月6日 21時) (レス) id: 4b25111a5e (このIDを非表示/違反報告)
名無しの刃 - 富岡…?恐らく冨岡では…?偉そうにすみません… (2019年10月3日 23時) (レス) id: 7c2b7aa7df (このIDを非表示/違反報告)
まっち - 続編おめでとうございます!本当に面白いと思いました。これからも頑張ってください!応援してます。 (2019年9月22日 22時) (レス) id: d74e1015ce (このIDを非表示/違反報告)
銀炉(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございます!7話がなくて話が抜けてますよ!更新楽しみに待ってます! (2019年9月22日 13時) (レス) id: c268784eb7 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張ってください! (2019年9月21日 23時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:-naki- | 作成日時:2019年9月21日 23時