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手術から約2ヶ月。
歩けるようになった彼女は、
リハビリがてらウォーキングをするようになった。
とテレビ電話の向こうで話していた。
でもあの怪我以来、
Aさんはボールを触るどころか、
無理して笑うようになった。
俺に心配かけないように、
元気だよ。っていつも笑ってた。
イタリアと日本のこの距離がもどかしくて、
無理やり作った笑顔を見る度に、
心臓が張り裂けるほど痛んだ。
すっかり寒くなってきた街並みを見ながら、
今日も練習へと向かう。
いつも見ている街並みなのに、
いつもと違って見えるのは、
もうすぐクリスマスだからなのだろうか、
日を追うごとに賑やかになっていく街を見ながら、
練習場に着く。
いつもと同じメニューをこなして、
いつもと同じように練習を終える。
イタリアの練習は日本より時間が短いが、
その分、中身が濃いように感じている。
お昼過ぎに練習を切り上げ、帰宅する。
いつもと同じ景色の中に見慣れた後ろ姿が立っていて、
思わず走って駆け寄った。
振り返る彼女は、
まるで何もなかったかのように
ただ一言、
「おかえり、祐希。」
っていつも通り笑っていた。
聞きたいことは山ほどあった何から話していいかわからず戸惑っている俺を見て、
Aさんは、ごめんね。って苦笑い。
「全部聞くよ。祐希が思ってること。」
「リハビリは？」
「うん、何とか。歩くのは問題ないよ。早いよね。」
「頑張ったんだね。」
「うん。」
ひとまず、安堵の息が漏れる。
それを見て彼女はおもむろに自分の履いていたスカートをめくった。
「え、ちょ///Aさんっ/////」
慌てる俺をよそに彼女は膝までしっかりあげると、
「それでも負荷をかけるとダメみたい。」
‟前みたいに全然動かない。‟
彼女の左足の手術痕を見て、口を覆う。
また泣きそうな俺を見てAさんは、祐希、って優しく俺の頭を撫でた。
「どうして、イタリアに？」
落ち着いた俺がそう聞くと彼女は、んー？と少し恥ずかしそうに笑う。
「もうすぐ祐希誕生日でしょ？」
「え、」
「歩行はもう問題ないし、会いたくなったから、会いに来ちゃった。」
そう言ってくれる彼女が可愛くて、
今は、難しいことを考えずにただ、ただ傍にいてあげたいと思った。
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いろは(プロフ) - ナオさん» 読んで頂きありがとうございます！大変な思いをされたんですね。この話はもちもんフィクションですが、ナオさんが大切な人と幸せでありますようにと、願っています。逆サイドの話検討してみます！ (2020年3月15日 9時) (
レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ナオ - とても楽しく読ませて頂きました！！これ、逆サイドの話しも読んでみたいです(* ´ ▽ ` *)私、彼と同じスポーツしてるのですが、事情があって私だけ辞めてしまったんです。おまけに今、左膝後十字靭帯損傷していて、めちゃ重なって思えて、余計刺さりました。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: d85b846b30 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - ユウカさん» コメントありがとうございます(ToT)嬉しいです!(^^)!次回作も頑張るのでまた読んで下さい(>_<) (2019年12月6日 22時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
ユウカ - 更新お疲れ様でした！本当に最高でした、何回も読み返そうと思います！次回作も楽しみです！ (2019年12月6日 20時) (レス) id: 18559518cb (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - ユウカさん» コメントありがとうございます(^^)励みになります！更新頑張るのでまた見て下さいね!(^^)! (2019年12月1日 6時) (レス) id: aef4d38a58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いろは
| 作成日時：2019年11月24日 3時
