アリス（MJ）>>2 ページ3
マックス「いや、俺も着いてく。」
一人で依頼主の家に向かおうとするジャッカルに言う。
ジャッカル「こん位一人でもいけるわ、待っとれ。」
ズカズカと家に向かうジャッカル。
異様に不安になる。
ーーーーーーーーーー
なんやアイツ、いつもなら一人で行く言っても
そんな不安そうな顔せぇへんやろ。
依頼主の家の呼び鈴を鳴らす。
よく聞くような「ピンポーン」という音がした。
「今出る」
扉の奥から依頼主らしき人の声が、
震えが止まらない。
尋常じゃない汗も出る。
変身が解けそうな位、動揺してる自分がいる。
ガタガタ震える腕を抑え、
カタカタ鳴る歯を食いしばる。
開けられた扉の先にはー
ーーーーーーーーー
マックス「ジャッカル遅いな……」
家に入ってから１時間は経つ。
本来なら依頼主から依頼内容を聞いてくるだけ。
たまたま気があって話し込む事もあるが……
まぁ俺の場合殆どだけど
ジャッカルは……いつもなら５分で出てくる。
聞くと本当に「依頼内容」しか聞いて来ないらしい。
不安になり家に近づく。
同時にジャッカルが家から出てくる。
マックス「遅かったじゃん？」
ジャッカルに事情を聞こうと近づく、が
足元が突然、光るー
マックス「！？まっー！」
次の瞬間、爆音と激痛が響く。
薄れ行く意識の中、ジャッカルに聞こうと
マックス「おま、なんでｯ……」
手を伸ばす。
届かなかった手は空をきり、落ちた。
途絶える寸前、ジャッカルの目から一筋、
涙が落ちたのが見えた。
ーーーーーーーーー
ジャッカル「これでええんか、」
自分の頬に流れるソレを拭う。
ジャッカル「キョウカ」
拭った手を見つめ、それが何だったのかを確かめる
キョウカ「あぁ、そうだ。」
依頼はキョウカからだった。
俺を妖精の尻尾から引きずり出す為の依頼。
引きずり出し、冥府に戻す為の依頼。
キョウカ「任せたぞ」
キョウカは音もなく消えた。
結局俺は悪魔。
それ以上でも……それ以下、ではあるか。
戻らないと誓った道に、
元の鞘に戻る。
その場から一歩、また一歩と歩む。
虚しさが両手に積もると共に
意識が歪んで行く。
足取りはしっかりとしているのに
フラフラ、歪んで歩く。
派手に吹っ飛んだソレに近づく。
立ったままソレを見つめる。
ジャッカル「何の話をしていたっけ……」
思い出せなくなる記憶と共に
もう会えないから、と。
決別の意をこめて、瞼にキスを落とす
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作者名：鯱 | 作成日時：2017年12月15日 1時
