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夕暮れが京都の街を染めていく
ここまで来た道のりを思い出して、自然と握る力が強まる
『……私、ほんとにここまで来れたんですね』
直「よう生きて、よう強なったなぁ」
『わかるんですか?』
直「当然。見れば分かる」
ふと、繋いでる手に視線を落とす
今までの訓練や任務で傷だらけになった手
A自身は努力した証だと自負してるが
その手を繋ぐ相手はどうなんだろう
こんな手を掴みたいと思うんだろうかと
ほんの数秒で頭の中で考える
すると直哉が繋がった手を自分の顔の目の前まで掲げた
直「傷だらけやな」
『もう、綺麗な女らしい手じゃ』
直「何言うてんねん、立派な手や」
『!!』
直「頑張ったって一目でわかる。自信持たんかい」
『だって、直哉さんは────』
直「俺は、なんの努力もしてへん傷一つない女の手より、あんたの手を取る自信あるで?なんの心配してんねん」
その言葉に、嬉しさと安堵で視界が滲んだ
指を絡め直して、Aを自分の方へ引き寄せた
肩に触れる体温が温かくて離れたくない
風が吹いて、二人の間を通り抜ける
高台から見る景色は変わらないのに、世界が少し違って見えた
夕焼けの中二人は並んだまま
しばらく何も言わずに景色を見ていた
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作者名:本あい | 作成日時:2026年1月5日 23時


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