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『虎杖先輩…』

虎「A?」

『先、行ってて下さい。』

虎「え、でも」

『ちゃんと戻りますから』






戸惑う虎杖先輩に笑って見せた


一瞬迷った顔をしたが、虎杖先輩は頷いてくれた






虎「Aに何かしたら東京校全員で乗り込むからな!」





そう言ってその場を離れた


直哉はそのやり取りを見ながら口の端を吊り上げた





直「(へぇ、割と度胸あるやん)」





虎杖先輩の背中が、人混みに紛れて見えなくなる


気づけば直哉さんと私、2人きりだった




心臓が、嫌な音を立てる


意を決して、口を開く






『あの…私、あなたに嫌われるようなこと、しましたか?』






声は震えていたけれど、目は逸らさなかった


また許可なく喋るなとか、いちゃもん言われると思った


けれど直哉さんは、何も言わずじっと私を見下ろしたまま




数秒、沈黙が落ちる


答えは、なかった


その代わりに、低い声が落ちてきた






直「ちょっと付き合ってくれへん?」

『え?』

直「行くで」






そう言って、断りを許さない力で手首を掴まれた


抵抗する間もなく、そのまま歩き出した






『ちょ!どこ行くんですか!』

直「大丈夫やて、取って食ったりせえへんから」






前を向いたまま、何故か楽しそうに言った
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作者名:本あい | 作成日時:2025年12月30日 20時

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