◇1383.大好物ではない ページ34
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シルバー先輩は包丁とにんじんを手に取ると、慣れた手つきで皮を剥いていく。
「お〜、手際がいいねえ」
シルバー「刃物の扱いには慣れています」
……刃物の扱いには慣れているとはなんなんだろうか
高校生でそんなこと言う奴見たことないぞ。
しかしシルバー先輩は詰まることなく、野菜の皮剥きを終え、野菜と肉を切り始める。
玉ねぎはくし形切り、じゃがいもは大きめの一口大に切り、にんじんは乱切りに切り分け、ブロッコリーは小房にわける。
牛肉は一口大に切り、分量の塩、こしょうを振り軽く揉み込む。
野菜と肉の下準備が出来たら、次は炒める工程だ。
熱した鍋にバターを溶かし、牛肉に焼き色がつくまで強火で焼く。
『そろそろ野菜を入れましょうか』
シルバー「ああ。
……普段ならここで塩と胡椒を振って１品とするんだが」
「ステーキ用のお肉ならそれで最高のご馳走だけどね。すね肉やスジ肉は煮込んだほうが美味しいよ〜」
シルバー「料理によって肉の部位を使い分けるのか。これまであまり気にしたことがなかったな」
『ついでに言うと今日使ってるのは牛もも肉です』
シルバー「Aは肉を見ただけでこの肉はどの部位なのかわかるのか。すごいな」
なんか、めちゃくちゃキラキラした表情で僕のことを褒めるが、普通に肉を包んでいたラップに��牛もも肉��って書いてあっただけなんだよなぁ。
僕はその憧憬の視線から目を逸らした。
するとシルバー先輩は野菜と肉を炒めながら、
「Aはなんの肉が好きなんだ？」
と、問う。……深く考えたことなかったな。
『そうですねぇ……鶏肉が好きです』
「焼き鳥とか、唐揚げとかにすると美味しいよね」
『特に砂肝が好きです』
「見た目のわりに渋いね〜」
シルバー「Aは砂肝が好物なのか？」
『好きってだけで、大好物ではないですね。基本的に僕、好き嫌いがないので』
にんじん以外なら僕はなんでも食える。
アレはダメだ。苦い。
煮込んでたり、細かく刻まれてニンジン本来の味が無くなっているものは食えるが、炒め料理などでアレの味が感じやすい料理は基本的に受け付けない。
シルバー「……シェフ、玉ねぎが透き通ってきましたが、これぐらい炒めればいいでしょうか？」
「お、いい感じだよ！
水を入れて煮込んでいこう」
シルバー「……いよいよ問題の煮込み作業か」
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冬雪(プロフ) - 瑠奈さん» コメントありがとうございます。笑ってもらえて嬉しいです (2022年7月31日 22時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - ジグソーパズルwww (2022年7月31日 21時) (レス) @page48 id: f6c02603c1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - パラディさん» すみません。何故かリンクできなくなっていましたね。リンクできるようになったので良かったらどうぞ (2021年4月17日 20時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
パラディ - 続きはいつ投稿されるでしょうか…？続きが気になってしまって…でも無理せず頑張って下さい! (2021年4月17日 20時) (レス) id: 4799a50d98 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アヤさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2021年4月12日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年2月24日 0時
