◇1368.家族思い ページ19
イヴ.
イヴ「(リドル先輩らしい動機だなぁ)」
私はAちゃん達の目の前で野菜を皮を剥いていたから話の内容が自然と耳に入ってきた。
「じゃあ、シルバーくん。君は？」
シルバー「マスターシェフに参加したきっかけですか？リドルの誘いです。
��料理は集中して行うもの。居眠りしがちなシルバーにはいい修行になるのではないか��
……と言われ、その通りだなと」
イヴ「そうだったんですか」
でも、リドル先輩とシルバー先輩ってたしかクラスが違かったよね。
リドル先輩なりにシルバー先輩のことを気にかけていたのだろうか。
『リドル先輩、まだ慣れていないうちは野菜に添えてある手は猫の手にしたほうがいいですよ』
リドル「猫の手？」
『こう、拳で野菜を抑えるんです』
リドル「何故猫の手と言うんだい？ 全然猫の手には見えないけれど」
『……なんででしょう？ 昔から言われていたことなので由来を気にしたことはありませんでした』
しかし本人達は話を聞かずに猫の手について疑問を浮かべていた。
シルバー「それに常々、料理の腕を磨きたいと考えていました」
「でも、料理にはある程度慣れているようだけど？」
イヴ「そうですね。包丁捌きも見事ですし」
シルバー「刃物の扱いには慣れているからな。
けど、俺の料理は基本、焼いて塩胡椒を振る程度のもの……Aやイヴの料理に比べれば俺はまだまだ初心者のようなものだ」
イヴ「そ、そんな大したものは作っていませんよ……」
シルバー「だから、幅を広げたいんです。育ててくれた父に、もっと美味しいものを食べさせたいので」
わぁ、立派
シルバー「それから、リドルと同じで給金にも魅力を感じました。少しずつでもお金を貯めておけば、将来父に苦労をかけずに済みますから」
わぁ、すごく立派
「シルバーくん、君はなんて親孝行な子なんだ」
イヴ「きっとお父様も喜びますよ！」
シルバー「……ああ」
シルバー先輩は相変わらず表情は変わらないけれど、どこか嬉しそうだ。
この学園の生徒は、悪知恵が働いたり、意地悪な人が多いけれど、それと同じくらい家族思いな人が多い。
リドル「……うっ……」
するとリドル先輩から嗚咽のような声が聞こえ、振り向くとリドル先輩は静かに涙を流していた。
シルバー「ん？ どうした、リドル」
リドル「くっ……、ううっ！！
な、涙が止まらない……っ」
.
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冬雪(プロフ) - 瑠奈さん» コメントありがとうございます。笑ってもらえて嬉しいです (2022年7月31日 22時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - ジグソーパズルwww (2022年7月31日 21時) (レス) @page48 id: f6c02603c1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - パラディさん» すみません。何故かリンクできなくなっていましたね。リンクできるようになったので良かったらどうぞ (2021年4月17日 20時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
パラディ - 続きはいつ投稿されるでしょうか…？続きが気になってしまって…でも無理せず頑張って下さい! (2021年4月17日 20時) (レス) id: 4799a50d98 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アヤさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2021年4月12日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年2月24日 0時
