◆540.生暖かい目 ページ18
イヴ.
翌日＿＿……
今日はポムフィオーレ寮のボールルームでレッスンをするため、レオナ先輩達は衣装を身につける。
何度見ても似合っている。
クルーウェル「どうだ？立派な毛並みの仔犬に見えるだろう」
ヴィル「……さすがだわ、クルーウェル先生。あえて色味を抑えた衣装がその者本来の美しさを引き出す様は、ストイックで、どこかミステリアス……未知へ尽きぬ憧れ、それこそがエチゾチックなのね」
クルーウェル「ふっ。お前のようにファッションを理解できる者がいると話が早くて助かる」
『僕達からしたら何言ってんのかわかんないけど』
イヴ「あはは……」
この世界のファッションはよくわからないけど、ヴィル先輩とクルーウェル先生が満足そうにしているのならそれでいいのだろう。
ジャミル「数え切れないほどの布を当てられ、着ては脱ぎ、着ては脱ぎ……」
ラギー「特訓する前から疲れたッス」
カリム「そうか？ 服を仕立てる時はいつもこんなもんだろう。なー、レオナ」
レオナ「まぁな」
王族と富豪はやっぱりああいう事に慣れているらしい。
お金持ちではない私達からしては目が回るような工程だったけれど、先輩達の衣装が完成して本当に良かったと思う。
カリム「お前達は着替えないのか？」
ラギー「ヴィルさんに仕立ててもらってたんスよね？」
ヴィル「この子達のは本番前にお披露目してあげる。イヴはいいとしてAは動き回るからすぐ汚しそうだし」
ジャミル「ああ……」
ラギー「ああ……」
レオナ「ああ……」
『納得すんなよ』
『僕だって大人しい時くらいあるんだからな！』とAちゃんは言うがジャミル先輩とラギー先輩とレオナ先輩は生暖かい目で見るだけだった。
ヴィル「ほら、安心するのはまだ早いわよ。来ている人間の所作が美しくなければシルクのシャツだってズタ袋に見える」
『凄い言われよう……』
ヴィル「ファッションショーで注目を集めるパフォーマンスをするためには……美しいウォーキング。美しいパフォーマンス。この２つが不可欠。まずはウォーキングでアンタ達の実力を見せてちょうだい」
レオナ「歩くだけだろ？寝ながらでも余裕だな」
イヴ「(寝ながらは少し無理があるかと……)」
ジャミル「いざ意識して歩くとなると勝手がわからなくなりそうだ」
カリム「そんな緊張するなよ。リラックスしてやろうぜ」
『頑張れー肌黒組ー』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 593人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るんTEE(プロフ) - 玉ww子www (2022年12月28日 13時) (
レス) @page20 id: f628b0e3f3 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» 誤字の報告ありがとうございます (2021年5月4日 5時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 悪役だけを。◆30の前編位まで見てまた見に来ましたがやっぱり面白いです！後、わざとだったら申し訳ありませんが、ヴィルニキはシェーンハイントではなくシェーンハイトじゃありませんでしたか？ (2021年5月4日 4時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - あつめ。さん» ご報告ありがとうございます。アダムとイヴの話好きです (2020年7月16日 17時) (レス) id: 11b37f809e (このIDを非表示/違反報告)
あつめ。(プロフ) - このキャラ感めっちゃ好きでいつも読ませていただいてます！アナザー（49ページ）のところで名前がアダムになっちゃってます…（ｺﾉﾘﾝｺﾞﾉﾊﾅｼｯﾃｱﾀﾞﾑﾄｲｳﾞﾉﾖｳｿｶﾅ） (2020年7月16日 16時) (レス) id: 4ea6ed452d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2020年7月5日 0時
