◇145.あくまで自分のため ページ2
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デュース「ターゲットの傍で階段から飛び降りるような動きをしたら、すぐ怪しまれそうなものじゃないか?」
ジャック「一連の事件は、ラギー先輩が単独でやってるわけじゃねぇ」
『……もしかして、サバナクローの奴らって殆どがグル?』
僕がそう言うとジャックは黙って頷いた。
僕は多分、今苦い顔をしているだろう。
昨日からサバナクローの奴らはいけ好かない奴らだと思っていたけど、そこまで性根が腐っているとは思わなかった。
ジャック「ターゲットの傍で変な動きをしていれば目立つ。
だから、寮生どもがラギー先輩の壁になって目立たないよう誤魔化してるんだと思う」
デュース「寮ぐるみの犯行……どうしてそんなことを?」
エース「んー。マジカルシフト大会での順位や活躍ってかなり将来に響くんだろ?
だったら気持ちはわからなくもないけど」
すると歯を剥き出しにして唸るジャック。
僕とイヴで抑えると、意外にすぐ大人しくなる。
『でもさ、大会ってそんなに大事かな?』
エース「大事だろ。将来に響くんだから」
『マジカルシフトで食っていく奴なら大事かもしれない。世界に名を轟かせたいなら尚更大事だ。
でも将来なんてわかんないじゃん。大事なのは今なんじゃ……』
ジャック「だろ!?」
『うわっ』
ジャック「大事なのは今だ!今の自分の実力を見せつけなきゃ意味ねぇだろうが!」
突然顔を近づけられて驚いた。
暑苦しいな、熱血男。
ジャック「俺が特に気に入らねぇのは……
寮長、レオナ・キングスカラーだ!
あいつは、すごい実力があるはずなのにちっとも本気を出しやしねぇ!」
グリム「確かに、アイツダラダラしてるのにめちゃくちゃ強かったんだゾ」
ジャック「だろ!?
せっかく持っている力を何故磨かない!?俺はそういう奴が一番嫌いだ。
3年前、レオナ先輩が大会で見せたプレイは本当に凄かった。
だから、俺はこの学園に入れて……
サバナクロー寮に入って、あの人とガチでマジフトの試合がやれるんだと思ってたのに……」
そう言って耳を垂らすジャック。
するとエースが僕とイヴに小声で話しかけてくる。
エース「あのさー……こいつ、さっきからずっと自分トコの寮長に文句言っているようで……
イヴ「……エースくんもそう思う?」
『いや、これ、ほんと、面倒くさい……』
呆れてしまうくらい、ジャックはあの獅子男に憧れを抱いていることに間違いはなかった。
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冬雪(プロフ) - アルファさん» ご報告ありがとうございます。これからもご愛読の方をお願いします (2020年4月17日 15時) (レス) id: e3ba6a1386 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - 161話で、八つ当たりはジャックすればいいになってました (2020年4月17日 11時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - とっても面白くて、何回も読み返したくなる面白さ・・・ヤバいです! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アルファさん» ご報告ありがとうございます (2020年4月16日 18時) (レス) id: e3ba6a1386 (このIDを非表示/違反報告)
アルファ - 186話でレオナがレオナ先輩ってさいごにいってました (2020年4月16日 17時) (レス) id: 2d5813c050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬雪 | 作成日時:2020年4月12日 3時