◇112.争奪戦 ページ18
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四時限目が終わり、エースとデュースと、もう殆どいつものメンバーで固まった僕らは食堂に来た。
しかし何故か今日はやたらと食堂が混んでいた。
イヴ「なんか今日凄い混んでるね」
『料理が見えん』
すると食堂のオバケさんが僕達に近づいて来た。
「今日は月に一度のスペシャルデー!
麓の街から大人気のベーカリーが出張営業中だよ!早い者勝ちの売り切れゴメンだ!」
「俺、チョコレートクロワッサン3つ!」
「やった、今月は買えた!
ここの卵サンドマジ美味いんだ〜」
「卵サンド売り切れました!
デラックスメンチカツサンド、最後の1つでーす」
大盛況。
人気なのはわかるが自分より背の高い男達のせいで商品が見えないのが難点だ。
僕はエースの袖を引っ張って『どんな感じ』と聞くと爪先立てて様子を伺うエース。
エース「どれも美味そうだぜ?
オレも買ってこよっかな」
デュース「スゴい人気だな」
『君達は背が高くていいよねー』
イヴ「私達だと潰されちゃいそうだよね」
エース「やーい、チビ」
『はっはっはっ』
チビと言ったエースの頬を引っ張るとエースも僕の頬を引っ張ってくる。
デュース「イヴとグリムはどうする……あれ?」
イヴ「……グリムくんがいない!」
エース「へ?」
『へ?』
さっきまで昼飯昼飯と騒いでいたグリムがいなくなっていることに気づいた僕ら。
……嫌な予感
グリム「オラオラ〜!!テメェらどくんだゾ!
デラックスメンチカツサンドはオレ様のものだ!」
「てめぇ割り込みすんじゃねぇ!」
「新入生の分際で先輩の前に割り込むとは良い度胸だな!
表出ろ!」
案の定、グリムは列に割り込んで暴れていた。
デュース「あいつ、食べ物の事になると我を忘れすぎだろ」
エース「あ〜あ〜」
『食べ物が絡んでるってことになるとあいつ止めんの面倒臭いんだよなあー』
エース「いや、オマエ監督生だろ」
『あ、そうだった』
デュース「忘れてたのかよ!」
『しゃーない。行くよ、イヴ』
イヴ「うん。Aちゃん」
イヴと2人で人集りの中に猪突猛進するが、すぐに僕らは押し出されてしまう。
後ろの方でエースの笑い声が聞こえるが、今は気にせず暴食動物の元へ走り抜ける。
『いい加減にしろグリム!』
イヴ「ちゃんと列に並ばないとダメだよ!」
グリム「列に並んでたらデラックスメンチカツサンドがなくなっちまうから嫌なんだゾ〜」
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冬雪(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。面白い、と思ってくれて嬉しいです (2022年12月8日 18時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - めっちゃ面白すぎる!! 夢主ちゃん良い子すぎて泣ける、、、 (2022年12月8日 16時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» コメントありがとうございます。少しでも楽しめたら嬉しいです (2021年4月11日 23時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
Rukia (ゆっくりゆる) - 120話ツボりました。他の話もですけど面白かったです。このやr((殴 すとーりーおおいねぇ。(思考停止) (2021年4月11日 21時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 13番さん» 報告ありがとうございます (2020年9月6日 14時) (レス) id: a3f0fbae31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬雪 | 作成日時:2020年4月6日 4時