◆76.これがルール ページ31
イヴ.
エース「ちょっと待てよ！
そんな無茶苦茶なルールあるか！」
遠くの方からエースくんの荒れた声が聞こえた。
何があったんだろうか、と気になりタルトを食べているグリムくんを引っ張ってAちゃんの元に駆け寄る。
イヴ「Aちゃん、どうしたの？」
『……』
イヴ「A、ちゃん？」
Aちゃんの顔を覗き込むと、ゾッ、とするほどの無表情で。
トレイ「寮長、申し訳ありません。マロンタルトを作ろうと言ったのは俺です」
ケイト「そうそう。まさかそんな決まりがあるなんて全然思ってなくて」
リドル「作ったことが重要なんじゃない。
今日！今、ここに！持ち込んだこと��だけ��が問題なんだ！」
不安になるような空気にどうすればいいのかわからないでいると「イヴ」と呼ばれ、デュースくんの元に駆け寄る。
グリム「おいおい、なんの騒ぎなんだゾ？」
デュース「ハートの女王の法律でなんでもない日にマロンタルトを持ち込んではいけないというルールがあったんだ」
イヴ「え……」
デュース「それで、寮長はマロンタルトを破棄、しろと」
グリム「そんなルールおかしいんだゾ！捨てるならオレ様が食うんだゾ！」
イヴ「そういう問題じゃない！」
だから、Aちゃんは無表情だったのだろうか。
そんなの、おかしい。
それが決まりだから、という理由で誰かのために作った料理を無駄にするのは最低だ。
捨てるのなんてもっと最低だ。
何か寮長さんに言ってやろうと思った時、Aちゃんが口を先に開いた。
『見損なったよ、リドル先輩』
リドル「……は？」
エース「そうだよ。さっきから聞いてりゃ、おかしなルールばっか並べやがって。馬鹿じゃねーの」
リドル「馬鹿……だって？」
するとエースくんとAちゃんの前にケイト先輩が立つ。
ケイト「ちょちょ、ストップ！それは言っちゃダメなやつ！
あとリドルくんも、こいつらまだ入学し立てほやほやの新入生だからね」
エース「いーや言うね。そんなルールに従ってタルトを捨てるなんて馬鹿だって思うだろ。
ふざけんなよ」
『……』
デュース「俺もエースに賛成です。もちろん、ルールは守らなければいけないものだとは思いますが、
さすがに突飛すぎる」
隣にいたはずのデュースくんもいつの間にかエースくんの隣にいて、３人は静かに寮長さんを見据えていた。
この空気感が、耐えられなかった。
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冬雪(プロフ) - サナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただければなと思うばかりです (2022年8月11日 20時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
サナ - やっと、2巻なんだゾ(このお話の)。楽しみ。 (2022年8月11日 18時) (レス) id: 2c45cd1730 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆずさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月13日 11時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ◆82話のところでトレイ先輩がトイレになっててめっちゃ笑いましたwwww (2020年10月13日 3時) (レス) id: 207a7fb508 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るなさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月31日 8時
