◆8.無 ページ10
イヴ.
青い炎で燃える部屋の中、倒れている狸、呆然としているロープを纏った人達、その中で微笑ましく戯れる女子高生の姿があった。つまり私達だった。
地獄絵図だった。
あの後、赤髪の人に首輪をかけられた喋る狸は外へ出され、ロープを纏った人達もぞろぞほと部屋から出て行き、とうとうこの部屋には私とAちゃん、それから校長先生だけになってしまった。
イヴ「(厳密に言えば闇の鏡もいるけど……)」
クロウリー「貴女、魔物だったんですか？」
『んなわけねぇですよ！僕も何が起きたのかわからないけど無傷なのはたしかですよ』
イヴ「でも結構燃えてたよね？膝もついてたし」
『ああ、あれはクラウチングスタートを』
クロウリー「紛らわしい！」
イヴ「紛らわしい！」
校長先生と被ったけれど、Aちゃんにそう言うと彼女は『狸殴るから気合入れようかと』と、戯けて笑う。
……狸殴るのに気合はいらないと思う
クロウリー「……それより、Aさん、イヴさん
大変残念なことですが……
貴女達にはこの学園から出て行ってもらわねばなりません」
『そりゃまた突然ですね』
クロウリー「魔法の力を持たない者をこの学園へ入学させるわけにはいかない」
イヴ「(そっちから私達を連れて来たのに……)」
クロウリー「心配はいりません。闇の鏡がすぐに故郷へ送り返してくれるでしょう。
さあ、扉の中へ。強く故郷のことを念じて……」
『また棺桶の中に入るのか……』
私達はそれぞれ棺桶の中に入る。
……でも、これで本当に戻れるの？
この学園に連れてこられたなら何か理由があるはずなのに、こんな簡単に帰れていいの？
イヴ「……」
クロウリー「さあ闇の鏡よ！
この者達をあるべき場所へ導きたまえ！」
闇の鏡〈……〉
クロウリー「……もう一度。
闇の鏡よ！この者達を……」
闇の鏡〈どこにもない……〉
クロウリー「え？」
闇の鏡〈この者達のあるべき場所はこの世界のどこにも無い……無である〉
イヴ「(……え)」
どこにも無いって……
刹那、扉を勢い良く開ける音が聞こえた。
多分Aちゃんが開けたのだろう。
『おいどういうことだ校長！！』
クロウリー「敬語！」
『どういうことですか校長先生！！』
クロウリー「私にもわかりませんよ！こんな事有り得ないのに！ああ、今日は有り得ないのオンパレードです……」
闇の鏡〈……〉
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冬雪(プロフ) - コメントありがとうございます。どうぞ次にお進みくださいな (7月15日 10時) (
レス) @page50 id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
さ - 嫌いに!!なるわけ!!ないだろ!!寮長!!続き読んできます！！！ (7月15日 8時) (レス) @page50 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るきあさん» コメントありがとうございます。見つけてくれてありがとうございます (2022年4月23日 17時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - やっと見つけた！！！！！！！！！！！！！！！！！機械壊れて占ツク入れてから数ヶ月探してたけど見つかりました…応援してます…一から読み直します‼️ (2022年4月23日 17時) (レス) id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - はわわさん» コメントありがとうございます。ハマっていただけて嬉しいです。自分もここまでくるとは思いませんでした (2022年4月13日 0時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月23日 0時
