143.癖の強い ページ5
加州.
加州「はぁ？陸奥守が主に銃を向けた？」
蛍丸「うん」
庭掃除をしていると、突然現れた新人にそう言われるが、にわかに信じ難い話だ。
俺は新人と目線を合わせるため、しゃがんで話を聞こうとすると、傍にいた安定もしゃがんで耳を傾けようとする。
加州「それ、ほんと？」
蛍丸「俺は嘘つかないよ」
大和守「悪戯とかじゃなくて？」
蛍丸「武器を持ってた方は引き金を引こうとしていたし、表情が本気だったから悪戯じゃないと思う」
陸奥守は盛大に嘘をつける程、演技は上手くない。
大和守「名前は？」
蛍丸「俺？蛍丸だよ」
大和守「それ背負ってんの大太刀だよね？大体お前ぐらいの背丈の奴は短刀だと思うけど」
蛍丸「俺もわかんない。気づいたらこんな姿」
大和守「不思議だねー」
蛍丸「不思議だねー」
加州「(蛍丸……��レア刀��か)」
刀剣男士は政府によって作り出された階級があり、レアであればある程の刀剣を持つ審神者は政府に目をつけられ、名声と富を得るという。
政府が欲しいのは戦力だ。
戦力を得れば手段を選ばない。
手放すことだって、考えない。
加州「(これは報告書には書けないな)」
この本丸には三日月と小狐丸、鶴丸、一期一振のようなレア刀剣が揃っており、戦力が高い。
だから政府に目を向けられないよう、彼奴らは��刀解された��ことになっている。
蛍丸「ねぇねぇ、そういえば聞きたかったことがあるんだけど」
安定「？」
蛍丸「主って嫌われてるの？」
安定「んー……説明するのは面倒だけど」
清光「おい」
安定「でも僕は好きだよ」
そう言って笑む安定。
蛍丸「……そっか。
俺と同じ刀派に愛染国俊と明石国行がいるんだけどさっき、会いに行ったらさ、二人共凄い暗い顔をしてた。主のことを言えば二人共顔をしかめるんだ」
蛍丸はあまり表情を変えずに淡々と喋る。
蛍丸「俺の新しい主は、可哀想だなって」
加州「……」
蛍丸「だから傍にいてあげないとねっ」
そう言って、初めて笑顔を見せる蛍丸。
何故か、その笑顔に背筋が凍った。
蛍丸「主ってまだ十代の子供でしょ？なら俺達が命懸けで守ってあげないとねっ」
安定「それは心強いねー」
蛍丸は無邪気に笑っているが、一度染み付いた違和感を拭えきれないでいた。
加州「(まーた癖の強い刀剣男士を鍛刀しおってからにあの子はほんとにもー……)」
俺は盛大に溜息を吐いた。
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あむ - 私が読んでる夢小説の中で一番好きです‼︎更新楽しみに待ってます‼︎ (2022年5月29日 8時) (
レス) id: 349116d89c (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)だれ落ちになるんでしょうか？ (2021年10月25日 16時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - 一番最初から読んできて、この物語はずっと私の癒しになっています！更新頑張って下さい、応援しています！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年2月4日 3時
