149.いろいろと違う ページ11
.
加州「陸奥守の大昔の主人、つまり坂本龍馬は暗殺された。諸説はあるらしいけど最後まで刀は何処、って言いながら苦しんでたみたいだよ」
『……』
加州「俺も時々あいつの畳まれていない布団を洗濯に出そうとして拳銃を見つけたことあるけど、本人は、いつ何時襲撃を喰らっても我が主のために仕込んである、って言ってた」
加州さんは、何故か自分以外にも詳しい。
理由は祖父が刀剣男士達を調べるために経歴などを読み解いていたらしい。近似であった加州さんもそれを手伝っていたため詳しいらしい。
私達はまた起きて来ない陸奥守さんを起こしに彼の部屋へ向かっている最中だった。
『私がどうこう言える立場ではありませんね』
加州「え〜？俺はやめてほしいかな。いきなり銃を向けられるのは嫌だもん」
『それは私も嫌ですよ。
……でも、坂本龍馬の件があるからこその対策なら私は彼の過去に足を踏み入れる資格はないから何も言いません』
加州「うわっ、優しい〜」
『そ、そんなことありませんよ！』
照れ隠しですぐに否定して、前髪で顔を隠すように毛先をいじる。
『私は暗いと言える程の過去を持っていないので』
加州「……」
『だから、何も言えないんです』
そう言うと何故か加州さんは悲しそうな顔をした。
これは、彼の物語だ。
だから誰も口出し出来ない。
そして陸奥守さんの部屋に辿り着くと、部屋の外からでも聞こえるイビキに苦笑いを浮かべる。
障子を開けて揺すって起こそうと、加州さんと歩み寄ると、勢い良く腕が伸びてきた。
その腕は加州さんを掴み、加州さんを押し倒した。
加州「え」
『え』
陸奥守「なんじゃ〜主……また起こしに来てくれたかえ？」
加州さんに覆い被さるのは加州さんを私と見間違える程寝ぼけている陸奥守さんだった。
陸奥守「ん〜？なんじゃ、主、デカくなったか？髪の色も違う」
加州「あったりまえだろ！！俺は加州だっての！」
陸奥守「でも主の霊力がねきにあるな〜……」
『(まぁ近くにはいるけど……)』
これは止めないと大変な展開になるのでは、と思った刹那、
陸奥守さんは加州さんの胸元に顔を埋める。
陸奥守「いいかざだな、主は……」
加州「……」
加州さんは顔を青ざめ、鳥肌を立たせた。
加州「いい匂いだって言いたいのかこの野郎！！」
陸奥守「ゴフッ」
『む、陸奥守さぁぁああん！！！』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あむ - 私が読んでる夢小説の中で一番好きです‼︎更新楽しみに待ってます‼︎ (2022年5月29日 8時) (
レス) id: 349116d89c (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)だれ落ちになるんでしょうか？ (2021年10月25日 16時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - 一番最初から読んできて、この物語はずっと私の癒しになっています！更新頑張って下さい、応援しています！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2020年2月4日 3時
