【刀剣乱舞】妖物語 (ページ46)

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137.獅子王ページ46

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山姥切「……新参を案内するだけでなんでそんな泥だらけになってきたんだ」

『ちょっと、落とし穴に落ちまして……』

山姥切「……」

『早いですけど先にお風呂もらいますね』

巴形さんに助けてもらったが髪も服も泥だらけなため見兼ねた歌仙さんがお風呂を沸かしてくれた。

着替えを持って大浴場に向かうことにした。

『(下着と服は持ったね、よし)』

そして、長い通路を歩いていると誰かが私の前に立ちはだかり、咄嗟に身構える。

そこにはまだ話したことない男の人、刀剣男士が立っていた。

黒いジャージに、金髪。
今時の陽キャの高校生みたいな人だ。

『(……たしか、獅子王くん……)』

獅子王「……やっぱ、汚れてるな」

『え、あ、あはは……よそ見してたら落とし穴に』

獅子王「知ってる。見てたから」

『見てたからって……ま、ましかあの落とし穴！』

獅子王「いやいやいや誤解だよ誤解！アレを作ったのは鶴丸のじっちゃんだよ！」

『ええ！？アレ鶴丸さんが作ったんですか！？』

獅子王「だ、だからって、あんま鶴丸のじっちゃんを責めないでほしいんだけど……」

「頼む」と頭を下げる獅子王くん。

『え？責めませんよ？』

獅子王「……本当か？」

『それどころか凄いって褒めたいくらいです。私初めて落とし穴に落ちたんですけど、ちょっと落とし穴に落ちるのに憧れていて……とてもいい人生経験になりました』

そう言うと獅子王くんは不安そうな顔から安心したような笑みを浮かべて「そっか」と目を細める。

獅子王「今から風呂か？」

『はい。歌仙さんが沸かしてくれたので』

獅子王「なら俺が背中流してやろうか？」

『……へ？』

獅子王「俺結構世話するの好きでよ、よく三日月のじっちゃんや鶴丸のじっちゃんの背中流してるからそういうのは得意なんだよ」

『い、いや、でも、お手数をかけますし……』

獅子王「いーからいーから気にすんなって」

『き、気にしますよ！異性に裸見られるなんて恥ずかしいに決まってるじゃないですか！』

獅子王「男も女も変わんねぇだろ」

『変わります！』

獅子王「いいから行くぞー」

そう言って私の手を引く獅子王くん。

『待って、待ってください！私、本当に……っ……誰かぁあ！！助けてくださいぃいい！！』

半泣きで叫べば和泉守さんと加州さんがきてくださり、事情を説明すると呆れ顔の二人は獅子王くんに説教をしていた。

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