133.振り回されろや兄弟 ページ42
.
『突き放したりしない。傷つけたりしない。私無しじゃ生きられないようにしてやるから覚悟しやがれです』
薬研「……ふっ」
すると薬研くんが笑い出した。
『えぇ!?な、なんで笑うの!?』
薬研「だって、私無しじゃ生きられないようにしてやるから覚悟しやがれですって……っ……」
『え!?わ、私そんなこと言いました!?』
厚「無自覚かよ」
『ああっ恥ずかしい!や、やっぱり忘れてください二人共!あ、でも私の信濃藤四郎と後藤藤四郎になるというのは変わりありませんから!』
信濃「!」
後藤「……」
薬研くんに茶化され続けられているとドタドタと足音が廊下の方から聞こえ、振り返る。
鯰尾「あるじぃぃぃいいいいぃぃぃわああぁぁぁぁぁぁ!!」
骨喰「兄弟!」
鯰尾くんが廊下を勢い良くスライディングして現れるが、止まらないのか私の視界を横切り、最終的に何処かに衝突する音が聞こえた。
部屋から顔を出すと案の定壁にぶつかって倒れていた鯰尾くんはすぐさま起き上がり、私の元に駆け寄って来た。
鯰尾「寄り道している暇はないよ主!」
薬研「鯰兄、壁にぶつかってたが怪我はねぇか?」
鯰尾「額が多少痛い!でもそんなことより主が今朝鍛刀した刀が出来たんだけど凄い人達だから早く行きましょう!新人さんも主さんに会いたがっていますし!加州さん達もお待ちかねですよ!」
『え!?あ、ちょっ』
鯰尾くんは何故か私を抱っこしようとする。
『あ!後藤くん、信濃くん、またね!』
持ち出されてしまう前に咄嗟に信濃くんと後藤くんの頭を撫でる。
鯰尾「さぁ行きましょう我が主!」
『行きます!行きますから!とりあえず降ろしてください!』
骨喰「きょ、兄弟……それ、大丈夫なのか?」
鯰尾「大丈夫!軽い!」
『いやあああぁぁぁぁぁ……』
私の情けない悲鳴が廊下に響く。
どう足掻こうと彼は私を降ろしてくれることはありませんでした。これなんてイジメですか。
薬研「行っちまったな」
厚「鯰兄って大将の身体好きだよな」
薬研「それ語弊ねぇか?」
厚「え?」
薬研「んで?どうすんだ?今回の大将はすげぇぞ。簡単に絆されちまったんじゃねぇか?」
後藤「は、はぁ!?な、なわけ……」
厚「桜、散ってるぞ」
後藤「こ、これは……!」
薬研「焦る気持ちはまぁわかる。けどあいつとやっていくってのはそういうこった。せいぜい振り回されろや兄弟」
.
108人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
戦国娘(プロフ) - 作品楽しみに読んでます!あと、一つ報告が.....一護ではなく一期一振というので正しくは一期です!! (2020年1月20日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冬雪 | 作成日時:2019年6月15日 0時