【刀剣乱舞】妖物語 (ページ38)

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129.朝日ページ38

一期.

夜が明け、弟達の部屋に行って「おはよう」と笑って言えば弟達は泣きながら私に抱きついた。

秋田「お、おはようございまず～いぢにぃ～！！」

平野「おは、よう……ございますっ……一兄」

一期「泣く程嫌だったかい？」

乱「そんなわけないでしょー！！」

抱き着く弟達の頭を一人一人撫でてやれば涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔で笑う。

どうやら本当に不安にさせてしまっていたらしく、申し訳なくなってしまう。

厚「でもどうしたんだよ一兄」

一期「？」

厚「突然元に戻ったりして……いいことでもあったのか？」

一期「……主殿のおかげ、かな？」

そう言うと弟達は目を張って、顔を見合わせてはにかむ。

鯰尾「一兄もまんまと主に絆されちゃったってわけだね」

骨喰「状況は把握出来ないが、良かったな、一兄」

悩む事なんて、本当になかったのだろうか。

弟達は軽蔑するどころか、涙を流して私に縋りついている。

前田「やはり、主君は凄いです」

鯰尾「だろだろ？なんてたって、我ら自慢の総大将だからね！もうそろそろみんなも心開いたっていいんじゃない？」

信濃「……」

後藤「……」

後藤と信濃が考え込んでいると、目先の廊下を歩く主殿を見つけ、鍛刀場の方へ行ってしまわれる。

一期「(朝から……？)」

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弟達には理由をつけ、鍛刀場の方へ行くと独り言を発しながら＂れしぴ＂というものを凝視していた。

一期「主殿？」

『……あ、おはようございます、一期さんっ』

一期「おはようございます。それより主殿は学校に行かなくてはいけないのでは？」

『はい。その前に鍛刀しようかと思いまして』

一期「鍛刀、ですか」

『学校から帰ったら新しい刀剣男士さんがいるんですよ？帰ってからのお楽しみってなんだか良い響きだと思いません？』

一期「……」

『私、もっと刀剣男士さんのこと知りたいんです。政府からの審神者のせいで減ってしまったというのもありますし、中には会いたいのに会えていない人もいますから、出来るだけ会わせたいなって』

そう言って笑う主殿に、心臓辺りが疼いた。

一期「……？」

なんだろうか、この気持ち

『とりあえず資材はあるので適当に入れますか』

主殿は木材などを霊力で小さくまとめ、神棚に収めると神棚の前に時間が表示された。

鍛刀時間：五時間

『長っ』
一期「長っ」

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