118.病弱 ページ27
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「熱が上がってる……明日も学校休みなね」
『……はい』
「じゃ、おやすみ」
『……おやすみなさい』
そう言うと加州さんは部屋から出て行った。
回復に向かっていた筈なのに何故か熱が再発。加州さんや他の人達に迷惑はかけるわ、学校に行けないわで、自分の病弱さに呆れるくらいだ。
『(眠れない……)』
障子に背を向ける感じで寝返りを打つ。
寝ないと治らないのに。私はどうにか眠れないかと目を閉じた、
その時だった
「主」
障子の向こうから声が聞こえた。
私は怠く感じる身体を起こして立ち上がる。おぼつかない足取りで障子まで辿り着くと、私は障子を開いた。
そこに居たのは大和守さんだった。
『……大和守さん？』
「……主」
『どうしました？何か困り事ですか……？』
「主は、死ぬの？」
『……へ？』
突然言われた言葉に呆気を取る。
それでも大和守さんはどうやら真剣なようで。今にでも泣きそうな表情をしている彼を私は笑い飛ばすことなんて出来ないから、私も真剣に応える。
『……大和守さん、私は病気ですけど死ぬような病ではありませんので心配はいりませんよ』
「……でも……治らないんでしょ？」
『……そうですね。これは私の体質なので』
「体質……？」
『私、幼い頃から病弱なんです。一度風邪を引いてしまうとなかなか治らなく……て……』
大和守さんの顔を見ると、大和守さんは何故か涙を流した。
『大和守さん……？』
「……そうやって……僕をまた、置いてくの？」
『え……』
「沖田くんみたいに……っ……」
『……私は、沖田くんじゃありませんよ』
「……！」
大和守さんの頬に触れて、涙を拭う。
『私は死にはしませんよ。だって私は沖田総司ではありませんし、私は若くして死にたくありません』
「……主」
『大和守さんの本当の主には敵わない部分はありますが、私は沖田総司のように貴方を置いて逝くなんてことはしませんから安心してください』
すると大和守さんは私を抱き締めた。
体温がない分、彼は身体の冷たさは心地良く思えたのです。縋りつくように、それでも優しく私を抱きすくめる大和守さんはなんだか子供のように思えたのです。
「……死なないでね」
『はい』
「……早く、元気になってね」
『はい』
こんなところで死ぬわけにはいかない。
私は大和守さんの背中を子供をあやすみたいに優しく叩いた。
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戦国娘(プロフ) - 作品楽しみに読んでます！あと、一つ報告が.....一護ではなく一期一振というので正しくは一期です!! (2020年1月20日 0時) (
レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年6月15日 0時
